拙攻の鷹! ソフトバンクが今季2度目の完封負けを喫した。10安打を放ちながらホームが遠く無得点。10安打で完封負けを喫するのは、12年9月19日の西武戦以来11年ぶりとなる大拙攻だった。FAで新加入した近藤健介外野手(29)はプロ初の1試合4三振。打線がかみ合わず、連勝は3で止まった。

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打撃職人の異例の光景でゲームセットとなった。FA加入の近藤が、この日4つめとなる空振り三振で最後の打者になった。1試合4三振はプロ入り後初だ。「出塁の鬼」として知られる男は、天を仰いで敗戦を受け止めた。

首位を走るソフトバンクらしからぬ拙攻が続いた。3点を追う6回1死一、三塁。甲斐の代打で登場した新外国人のアストゥディーヨが、遊撃への併殺打に倒れた。藤本監督は「なんとか1点を取っておけば変わったかも分からんね。まぁ本人も必死にやっているわけだから。結果、ダブルプレーでもしょうがないです」と責めなかったが、痛恨の一打だった。

3者凡退は7、9回のみ。6イニングで得点圏に走者を進めたが、ホームベースが遠かった。10安打を放ちながら今季2度目の無得点負け。10安打で完封負けを喫するのは、12年9月19日の西武戦以来11年ぶりの屈辱だった。指揮官は「流れが悪かった。個人の状態は悪くない。まぁ流れが悪かっただけです。(好機で)1本はね、毎回毎回打てるもんじゃない。流れが悪かった」と、同じ言葉を繰り返しながらため息をついた。

0-0の2回1死一、三塁では、甲斐が初球から2球連続でセーフティースクイズを試みるもファウル。3球目で空振り三振に倒れ、1番周東も二ゴロに終わった。直後に先発和田が決勝3ランを被弾。藤本監督は「2回の攻撃は1点を取っていれば、(和田は)いいピッチングしてるかも分からない」と悔やんだ。先制点を取れば開幕から8戦8勝。先行逃げ切りに持ち込めなかった。

明るい材料は主砲柳田が今季4度目のマルチ安打。打率は3割1分4厘に上昇した。近藤、柳田、栗原を軸とした強力上位打線で、次は爆発する。【只松憲】