今季4度目の先発となった日本ハム伊藤大海投手(25)が、5回途中6安打、自己ワーストタイの6失点でKOされ、またも今季初白星を逃した。1点リードの5回無死一塁、オリックス森に右越え逆転2ランを浴びて降板した。6失点は昨季8月26日ソフトバンク戦以来3度目、自責点6は自己ワースト。侍ジャパンで世界一に貢献した右腕に、光が見えない…。

悔しくて仕方がなかった。ベンチ最前列から敗戦の瞬間を見届けると、伊藤は思わず下を向いた。「打線の援護に応えられず悔しい」。初回に3失点。打線が5点を奪い逆転してもらったが、1点リードの5回無死一塁で森に右越え逆転2ランを浴びて降板した。「4回で交代だったところをコーチに『行きます』って答えたのに裏切る形になってしまい申し訳ない」と、声を絞り出した。

1、3、5回と先頭打者に四球を与えるなど、自己ワーストタイの5四球と制球が定まらない。6回101球を投げた19日のロッテ戦から中5日と間隔が詰まる中「そんな難しく考えすぎないというのを考えてやってきた」と頭を整理して臨んだが、結果が出ない。「気持ちの面は全然問題なかった。技術的な問題。下半身をうまく使えていない」と、険しい表情で振り返った。

昨季チームトップの10勝を挙げ、デビューから2年連続で2ケタ勝利した投手が4戦未勝利で3敗目。調子が戻らない状況に、新庄監督は「次もこういう投球だったら、考えます。みんな投げたいしね。仕事なんで。プロ野球なんで」と、次回登板次第ではローテーションを再編することも示唆した。伊藤も「次だめだったら自分で下がるぐらいの気持ちでやらないと」と強い口調で話した。

WBCに出場した侍ジャパン投手陣では、23日(日本時間24日)にパドレス・ダルビッシュが初勝利。自分以外の先発9投手がすでに白星を挙げている。どん底からはい上がり、まずは1勝をつかむ。【永野高輔】

■松本剛4安打3打点

松本剛が2回1死満塁で左前2点適時打を放つなど、5打数4安打3打点と活躍した。6試合連続安打と好調をキープ。「いい形の打席は増えているので、これを継続できたらいいと思います」。1点差で敗れたが、「チャンスの機会が増えてきて、いい流れで攻撃できているので、これを続けたい」と語った。

■アルカンタラ特大今季1号

アルカンタラが今季初本塁打を放つなど、4打数2安打2打点を挙げた。8回の第4打席ではオリックス山崎颯の151キロ直球を捉え、右翼の2階席まで届く飛距離125メートルの特大ソロを決めた。「ミートすることだけを考えて打席に入ったので、いい結果に終わって良かった。ポジティブな姿勢で、いい結果を出し続けられるように頑張ります」と語った。

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