元日本ハム投手の中村勝兼任監督(31)が今季から指揮する士別サムライブレイズが7-6で石狩レッドフェニックスを下し、開幕戦を勝利で飾った。

中村が投手として先発。4回5安打4四球4失点の不安定な内容で自ら降板するも、采配に徹した終盤の8回裏に4点を奪い逆転。駆けつけた1125人のファンの大歓声に応えた。

「『開幕投手の中村さんに負けをつけるわけにはいかない』と、みんなで言ってましたから」。5-5の8回裏無死一、三塁で、勝ち越しの右前適時打を放った元巨人の広畑塁捕手兼任コーチ(27)がお立ち台で話すと、ベンチ前の中村が、思わず苦笑いした。

球速は最高142キロを計時も、制球が乱れ、押し出しを含む4失点。実戦2試合、全体練習で若手指導を優先したため、自分の調整は後回しだった。「僕の負けを、きれいにメンバーが消してくれましたので、チームの他の選手を、活用していきたい」と、勝利監督インタビューで話すと、スタンドがどっと沸いた。

5回以降は、イニングの合間に自らブルペンまで走って準備中の投手に声をかけるなど、積極的にチームを動かした。試合後は30分以上もファンのハイタッチなどに対応。監督、投手、営業マンと三刀流の中村は「また士別で会いましょう!」とPRで締めた。【中島洋尚】

○…中村兼任監督の指揮官デビュー戦を、1125人のファンとチアリーダーの熱烈応援が後押しした。「KAMIKAWA・士別サムライブレイズチアリーダー」の白内くるみさん(旭川大短大2年)、山下陽色さん(士別翔雲高2年)、吉田由奈さん(旭川藤星高1年)の3人は、ブラスバンドの演奏に乗って終始一塁側スタンドの最前列でパフォーマンスを披露。今季から声出し可能になったスタンド応援を、さらに盛り上げていた。

白内さんは「チームが今年も優勝できるように、ファイターズガールに負けないぐらいの応援をしていきたい。ただ今メンバー募集中です!」と、士別の逆転勝利に、最高のスマイルを見せながら話した。