戦国の交流戦を制するのはどこだ-。「日本生命セ・パ交流戦」は今日13日から最終局面を迎える。

今年は大混戦で全12チームにまだ優勝の可能性が残されている異例の展開。“下克上”を代名詞とするロッテは借金4で一時最下位に沈んでいたが、史上初の大逆転Vへ吉井理人監督(58)がマジックの種明かしを封印した。

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“マジシャン吉井”が種明かしを止めた。ロッテ吉井理人監督は、4日に登録抹消された種市篤暉投手の復帰登板について聞かれ、ニヤリと笑った。「(交流戦開幕カードの)巨人戦で全部先発を言ってうまくいかなかったので、今回は内緒で」。

最短で明日14日の中日戦から登板可能だが、手の内は隠した。先月30日からの巨人3連戦は1勝2敗。交流戦のスタートダッシュには失敗した。いつもは「あ、また言っちゃったあ」と苦笑いしながらズバリ明言するのが吉井流。明かさなかったのは“種”市だけになのか…。

交流戦で逆転Vを決めれば、史上最高のマジックとなる。過去の交流戦で借金3以上を抱えたチームで優勝したケースはない。ロッテは6日のヤクルト戦で借金4までふくれたが、巻き返して勝率5割目前。首位巨人、DeNAは貯金2と背中は遠くない。10年にシーズン3位から日本一になったが、交流戦でも下克上アゲインを狙う。

今日13日の中日戦初戦は小島が予告先発。3戦目は美馬が予想される。オープン戦では小島、種市、美馬のローテ順で3連敗を喫した。同じバンテリンドームで同じ先発3枚でリベンジを期す可能性もある。

指揮官は同じく14日から1軍復帰が可能な沢村についても、口を閉ざした。「沢村も順調に調整が進んでいる。(9連戦を終えて)見ていてもブルペンはけっこうしんどそうだったので、考えていかなきゃいけないなと。まだ、どういう方法でというのは思いついていないんですけれど、ブルペンもしっかり回復させてあげたいなと思っています」。具体策には言及せず。17年ぶり3度目の交流戦優勝の「種明かし」に期待したい。【鎌田直秀】

◆交流戦Vメモ 過去17開催で、下位に沈んだチームの大逆転優勝(または最高勝率)は1度もない。Vチームが途中で最も負け越したのは06年ロッテと13年ソフトバンクの借金2。Vチームが開幕後に長く借金を抱えた例も05年ロッテ(36試合制の9試合目)、13年ソフトバンク(24試合制の9試合目)だけで、10試合経過後の借金チームからVはない。15年から18試合制に短縮され、挽回が難しくなった。今季のロッテは一時1勝5敗1分けの借金4、現在5勝6敗1分けの借金1。ここからまくれば史上最大の逆転Vとなる。

◆交流戦優勝決定方式 勝率1位を優勝とし、賞金3000万円。同率で並んだ場合は(1)勝利数(2)直接対戦成績(2球団の場合)(3)得失点率差(4)自責点率差(5)チーム打率(6)22年交流戦順位を比較。22日までに全日程が終了しない場合、その時点で決める。この場合は15試合以上を消化し、勝率5割以上が条件。14試合以下でも未消化分を敗戦として計算し、勝率1位なら優勝となる。

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