交流戦初Vの勢いに乗って好発進だ。DeNAが首位阪神との3連戦初戦を制し、1・5ゲーム差に詰め寄った。今永昇太投手(29)が1失点完投で5勝目。横浜スタジアムで昨年8月から自身8連勝とした。またチームとしても、本拠地での阪神戦は昨年6月から11連勝。決勝適時打は牧秀悟内野手(25)で、4番が打ち、エースが抑えて勝った。

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完封ペースが途切れても、エースが揺らぐことはなかった。今永は3点リードの9回、先頭の阪神大山にソロを被弾して初失点。この時点で球数は108球を数えた。「最後の1点は余分でしたけど。2点取られても最後に1点勝っていればいい」。後続を断ち、126球で今季2度目の完投を成した。「完封させてやれなくてごめんな」と言った戸柱に「僕もミットを外れた。申し訳ない」と言った。

直球が走った。最速は153キロを計測。湿度が味方し、指にかかった。「バランスよく投げられた。理想の球に近いボールを今日は投げられた」。立ち上がりで1回2死一、三塁のピンチを招いたが、佐藤輝を空振り三振に仕留めるとほえた。積み上げた三振は10個にのぼった。

この試合の大事さをみなが分かっていた。交流戦を終えて、首位阪神との差は6ゲームから2・5ゲームに縮まった。今カードからオールスター戦までは21試合。うち阪神戦が6試合。三浦監督は練習前、ナインに「最低でも13勝以上を目標にやっていこう」と、貯金5をノルマに課した。「ペナント優勝」という大きな目標に近づくための「短期目標」を共有した。

応えたエースは、直近5試合連続で7回以上、自責3以下をマーク。横浜スタジアムでの自身の連勝を8に伸ばした。「球団史上初の連勝記録までいけるように頑張ります」と、11連勝を超えるまで止まるつもりはない。

ハマスタで強いのはチームも同じで、昨年6月28日から阪神戦11連勝。本拠地での同一カード連勝記録最多を更新した。これで1・5差。3連勝なら一気にひっくり返せる。三浦監督は「そこは関係ないです。まだまだ。1試合1試合、やるだけです」。次の1試合を、確実に取る。【鎌田良美】

▼今永が完投で今季5勝目。本拠地の横浜スタジアムでは昨年8月2日広島戦から8連勝で通算30勝目。横浜スタジアムの連勝は84~90年斎藤雅(巨人)の11連勝が最多で、8連勝以上は7人、8度目。斎藤雅を含め他球団の投手が4人おり、DeNAの投手では83年に8連勝、84~85年に10連勝の遠藤、94~96年に8連勝の佐々木に次いで3人、4度目。また、同球場の通算勝利数は三浦監督の83勝が最も多く、30勝以上は7人目。

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