試合前、昨季限りで現役引退した日本ハム金子千尋特命コーチ(39)の引退セレモニーが行われた。日本ハムと、14年間在籍したオリックスの両チームのファンの前で、現役生活を振り返った。

花束贈呈は松本剛外野手(29)と加藤貴之投手(30)が務めた。スピーチではまず、「このような場を設けていただき、日本ハム、オリックスの関係者のみなさま、本当にありがとうございます」と感謝の言葉から入った。現役時代の背番号19のユニホームを着て登場。19は日本ハムでは玉井、オリックスでは山岡が着けている。「背番号19を貸してくれた玉井、山岡ありがとうございます」と、後輩に言葉を送った。スピーチでは家族や、かつてのチームメート、トレーナーらへの感謝の気持ちが並んだ。「1人でも欠けていたら今の僕はなかったと思っています」。

「ファイナルピッチ」にも臨んだ。捕手に日本ハム伏見、打者にオリックス平野佳がコールされたが、急きょ捕手を長男が務め、打席には次男が立った。長女の未來ちゃんはボールを金子特命コーチに手渡すと「プレーボール!」と元気に発声。投球は緩やかな弧を描き、長男が構えるミットに収まった。初めて立ったエスコンフィールドのマウンドで、野球人生最後の1球を投じ、引退の感慨をわが子と分かち合った。

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