<広島0-2阪神>◇5日◇マツダスタジアム

代役1番が虎の窮地を救った! 阪神島田海吏外野手(27)が6年目のプロ1号を先頭打者弾で飾り、堅首に大貢献した。右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱した近本に代わり、今季初の1番中堅で出場。初回に森下から右翼に運び、試合開始数分で決勝弾を生み出した。熊本同郷の同学年で高校時代はライバルだった大竹のプロ初完封&7勝目をアシスト。チーム2年ぶりの球宴前勝ち越しターンも決め、2位DeNAとのゲーム差を2・5に拡大だ。

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島田がプロ野球選手の使命を、さらに強く感じた瞬間がある。4月末の神宮遠征での出来事。神宮球場に隣接するコブシ球場でアップをしていると、野球少年たちが駆け寄ってきた。「サインください!」。27歳の好青年はペンを走らせながら、思い出をかみしめていた。

「小学生の時だったかな。僕も父親に連れられて、ホークスのキャンプで選手にサイン、もらってたなって」。幼少期、実家の熊本から、ソフトバンクのキャンプが行われる宮崎へ通った。城島や松中らスターに目を輝かせた。

「サイン書きながら、自分が小さい時のことも思い出したな…。そういう感覚でやってたな、もっと頑張らないとなってね。あらためて夢を与える職業なんだと実感するよね」

この日のプロ初アーチもきっと、少年少女に夢を与えたはずだ。【阪神担当=中野椋】

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