アレ!? 岩崎じゃないの? 岡田虎が今季10度目の延長戦を落とした。4-2と2点をリードした9回に岩貞祐太投手(31)が同点打を浴びると、延長10回に馬場皐輔投手(28)が勝ち越し打を許した。この日はクローザー岩崎優投手(32)がコンディション不良で登板を回避。「守護神不在」で喫した激痛の1敗に岡田彰布監督(65)も会見を拒否した。2年ぶり前半戦首位ターン確定も、指揮官は怒り心頭だ。

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悪夢の逆転負けに岡田監督の怒りは収まらなかった。甲子園では今季初の会見拒否。ベンチ裏から引き揚げる背番号80を、報道陣が追いかけたが「(会見は)なしや言うてんねん!」と一言残し球場からクラブハウスへと続く階段を上がっていった。

2点リードの9回、リリーフカーで登場したのは12セーブを挙げている岩崎ではなく岩貞だった。ベンチ入りメンバーに岩崎は入っていた。安藤コーチは「コンディション的に今日は投げられなかった。くわしいことは言えない」と説明。岩崎は試合前の練習を早めに切り上げていた。肩や肘などに故障が起きたのではなく、この日が投げられる状態ではなかったようだ。

岩貞は先頭の代打福田に四球、続く福永に中前安打を浴び、1死二、三塁から岡林に右前へ同点の2点適時打を許した。試合前から代役守護神を伝えられていた岩貞は「そういうことだと思って準備していたんですけど、結果が出なくて申し訳ない」と試合後、肩を落とした。

延長10回2死一塁から福永の二塁への正面のゴロがイレギュラーし、中野がポロリ。続く1番大島に右前適時打で勝ち越された。さらに右翼手熊谷の本塁への返球が打者走者大島に当たり、ボールが転々とする間に一塁走者の生還も許した。ベンチで苦笑いする岡田監督の目は笑っていなかった。13日のDeNA戦まで14試合連続で無失策を続けていたが、大事な場面で2つも失策が出た。中野は「自分のミスで負けたみたいなもんです」と、言葉を絞り出した。今季延長戦は4勝3敗3分けとなった。

連敗だが2位DeNAが敗れ、2試合を残し前半戦の首位ターンが決まった。和製オーダーは今季4度目で4連敗となった。守護神岩崎が投げられ“たら”の悔しい敗戦となったが、前半残り2戦ともチケットは完売。切り替えて連敗を止め、気持ちよく折り返したい。【石橋隆雄】

▼阪神はオールスター前の前半戦首位が決定した。阪神の首位ターンは21年以来10度目。セ・リーグの前半戦首位回数は巨人の34度が最多で、阪神の10度は中日と並び2番目に多い。巨人は34度のうち29度優勝しているのに対し、阪神は過去9度のうち優勝が62、03、05年の3度だけ。前々回の08年、前回の21年と、2度連続して大逆転で優勝を逃している。これまでのV確率は33%だが、今年はどうなるか。

▼なお16、17日の前半戦残り2試合で、阪神●●かつDeNA○○の場合のみ、両軍が同率で首位ターンとなる。