西武与座海人投手(27)は今を大切に投げる。

ショッキングな出来事があった。

「ニュースとかで見て。うん、何だろう…周りの誰もが認めるような野球選手だったと聞いていたので、すごく残念な気持ちというか」

阪神でプレーした横田慎太郎さんが18日、脳腫瘍のため逝去した。9月に誕生日を迎える与座と同学年、28歳だった。

沖縄尚学時代に、鹿児島県で行われた招待試合に出場し、横田さんがプレーしていた鹿児島実とも対戦した。「(直接の)面識はないですね。試合をした記憶はあります」。当時、与座は控え投手だった。

沖縄・浦添で育った。実家のあるエリアは、太平洋戦争当時は沖縄戦最大の激戦区だった。幼少期から何度も学び、命の尊さは人生観にも染みこんでいる。

「(横田さんが亡くなって)語り継がれるのは、すごいことだなと思います。僕らも、五体満足で野球できてるのは、幸せなことだなと。そういう、何だろう…横田さんの分も野球に真剣に、真摯(しんし)に向き合っていかないといけないなと思います」

かみしめるように話し、目の前の仕事に向き合う。24日はブルペンで34球。26日のロッテ戦(ベルーナドーム)に先発予定だ。好投が増えてきたが、まだ白星は付かない。「付いてくればうれしいですけどね」。まずは、懸命に投げる。【金子真仁】

【スライドショー】横田慎太郎さん、安らかに 思い出のシーン