阪神青柳晃洋投手(29)が7回4安打1失点と力投し、復活を印象づけた。

約2カ月半ぶりの甲子園での登板。左打者8人を並べたカープ打線相手に、140キロ台中盤の直球とツーシーム、カットボールを中心に両サイド低めを丁寧に突いた。持ち前の打たせて取る投球に加え、今季最多タイの7三振を奪取。5月19日に5回7失点でKOされた相手を最少失点に封じ、先発として試合をつくった。

「(チームが)負けなかった方がデカい。2位のチームと対戦して負けなかったのが一番。僕自身はある程度納得できた投球ができたんで、よかったかなと思います」

1点リードの3回には1死二塁から小園に右前タイムリーを浴び、同点に追いつかれた。それでも4回以降は低めにボールを集め、7回まで二塁を踏ませなかった。6回の佐藤輝のソロで1点を勝ち越したが、8回に中継ぎ陣が踏ん張れず同点とされ、右腕の4勝目&3年ぶりの広島戦勝利が目前で幻となった。

今季10戦目にして初めて坂本とバッテリーを組んだ。前日28日もスタメンマスクをかぶった坂本とは試合前、試合中と話し合いを重ね、この日はいつもよりもカットボール多めの組み立てで攻めた。「カットに関しては今年一番投げたと思う。誠志郎にいいところを引っ張ってもらったかなというのはあります」。同学年のリードに感謝した。

7月11日のDeNA戦(倉敷)で2カ月ぶりの勝ち星を手にした右腕は、後半戦開幕戦の同22日敵地ヤクルト戦で5回5失点と役割を果たせなかった。「逆戻りやなあ」と指摘していた指揮官は「だいぶよく戻ってきたというか、コントロールもよかったし、スピードも出とったしなあ」と評価した。勝負の後半戦。勝ち抜くために絶対欠かすことのできない男が、首位攻防第2ラウンドで仕事を全うした。【古財稜明】

■坂本、白星消え…悔し

阪神坂本が青柳と今季初バッテリーを組み、勝ち星をつけられなかったことを悔しがった。「テンポとストライク先行でいくことを心がけていた」。右腕の持ち味を生かして好リードした。だが、青柳は勝ち投手の権利を持って降板も勝ち星は消滅。「本人も不安があっただろうし、なんとか勝ちをつけてあげたかった。悔しい部分の方が強いです」。岡田監督は坂本の起用を「ちょっと1回、気分を変えてみようと思ってな」と説明した。