今井達也投手(25)の完投勝利で、西武が連敗を3で止めた。

この試合、西武にとっての「今季初」があった。「2死走者なしからの7~9番の3人連続出塁」だ。

切り開いたのは佐藤龍世内野手(26)だ。2回2死、7番打者としてこの日初の打席へ。

「2アウトになって、どっちに転ぶか分からない状態で3人で抑えられると投手もリズム良く乗っちゃうと思ったので、何とか塁に出ようと」

楽天辛島に2ストライクと追い込まれたが、粘り、4球目の逃げていくチェンジアップに食らいついた。中前打。

8番古賀がフルカウントから四球を選び、9番長谷川が初球をしぶとく適時打にした。蛭間、源田まで適時打が続き、4得点。「下位から2死から、大量得点になって良かったです」。チャンスを切り開いた佐藤龍は喜んだ。

流れを作り3回表、今度は三塁守備へ。感じた。先発今井が2番山崎剛にストレートの四球を出した。さっとマウンドへ近寄る。

「今まで通りゾーンで勝負しろ」

そのココロは。

「相手も4点ポンッて入れられて、なかなかイケイケドンドンで来ないと思ったので」

2死満塁。今井は3番小郷を追い込み、ストライクゾーンへのスライダーで空振り三振にした。マウンドで感情を表現することが多い投手。三塁からの声掛けもいろいろ考える。

「『ゾーンでいいよ』もあれば『ここ気合入れて行けよ』もあったり」

役割は打球を処理するだけではない。ただ、自身の失策が影響して敗れた試合もあった。ひたすらに練習を重ねている。

「そんなに(ミスが)続くような練習はしてきていないので。いつも通りに練習できたら、試合でも普通にできると思うので。あとは今日の小郷のレフト前や、昨日の浅村さんのレフト前。あそこは球際をしっかりすれば捕れたかもしれないので。グローブ出すタイミグとか。そこをもっとアウトにしたいですね」

今この場面で自分に何ができるか-。ミスの悔しさを血肉に、より突き詰めて動いている。【金子真仁】