新井カープが今季5度目のサヨナラ勝ちで、首位阪神を追走だ。3-3の9回無死満塁で、広島坂倉将吾捕手が清水のフォークを捉えて右翼へサヨナラ犠飛。2年連続セ・リーグ王者を相手に本拠地マツダスタジアムで無傷の10連勝を飾り、7・5ゲーム差をキープした。

真っ赤なスタンドが、揺れに揺れていた。9回、2個の敵失から生まれた絶好機。坂倉は「チャンスはピンチなので、あれがゴロになっていたら、2アウトになってしまうので、いろんな気持ちはありましたけど、割り切って(走者を)かえすことだけを考えていました」。三塁走者を本塁に迎え入れることだけを念じ、集中力を高めた。9回表の守備では、二盗を狙った丸山和をピシャリと刺した。坂倉で勝負を決める道筋ができあがっていた。

新井監督は「いいボールいったよね。サクだったらなんとか当てて前に飛ばしてくれるだろうと思ってました」。決勝打につながるストライク送球も思い浮かべ、声を弾ませた。信頼に応えてくれる選手たちが、ただただ頼もしい。阪神の快走が止まらなくても、新井カープの追走も止まらない。【堀まどか】

 

▽広島デビッドソン(初回、マツダスタジアムで3戦連発で11本目となる15号2ラン)「今までシーズンを過ごしてきて、何かしっくりこない部分があって、葛藤していた。ここにきて信頼して試合でも振れるようになったところも大きい」

▽広島栗林(プロ3年目で本拠地初勝利となる3勝目)「初めてホームで勝てて、あの声援を聞けたのはすごいうれしい」

 

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