3位ソフトバンクが西武に逆転勝ちし、敗れた2位ロッテに0・5ゲーム差と接近した。3回に三森の2ランで1点差とし、さらに2死二、三塁で今宮健太内野手(32)が決勝の2点二塁打を放った。初回の守備では自身の送球エラーが絡んで3点を先制されており、汚名返上の一打になった。西武に連勝で2カードぶりの勝ち越し。貯金3は8月23日以来、3週間ぶりだ。

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今宮は打席で冷静だった。「(ミスを)取り返す、というよりかは(走者を)かえすことを意識していました。それだけです」。3回。1点差としてさらに2死二、三塁。与座の速球を捉えた逆転の打球が右中間ではねた。二塁ベース上の今宮は笑みも浮かべず、淡々とエルボーガードを外した。選手会長は集中していた。

1回の遊撃守備では自らの適時失策から先制を許した。1死二、三塁。今宮はマキノンの高くはね上がったゴロをジャンピングキャッチした。とっさにホームにワンバウンド送球。しかし捕手の甲斐は捕りきれなかった。ボールはバックネット裏に転々…。走者2人生還し、今宮のエラーが記録された。名手は天を仰いだ。「僕のエラーなので僕が悪い。ワンバウンドで投げたほうが(甲斐)拓也も捕りやすいかなと思って。拓也も『すみません』と言ってました」。もどかしい思いはあったが、逆転&決勝の一打で汚名を返上した。

夏場以降は絶好調だ。8月は月間打率3割1分。9月も11試合で全く同じ打率を残している。この日の一打で6試合連続安打とし、その間は9打点。藤本博史監督(59)も「今宮がいいんじゃないですか。良くなっているんじゃないかなと。1、2番と今宮がここまでよう打ってくれてるので得点になっている」とうなずいた。

西武に連勝し、2カードぶりの勝ち越しが決まった。指揮官は「気分がいいですね」と上機嫌。貯金3は8月23日以来3週間ぶり。一時は借金生活も経験したが、チームは少しずつ傷を癒やしている。殊勲打を放った今宮も「ミスの中でこうやってチームが勝てたということは逆にプラスにとらえていきたい」と前を向いた。

ロッテとは0・5差。藤本ホークスの2位浮上が見えてきた。14日の西武戦では5連勝した6月28日~7月2日以来の3連勝がかかる。約2カ月ぶりの同一カード3連勝で波に乗りたい。【只松憲】

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