ソフトバンク小久保裕紀新監督(52)が23日、福岡市内のホテルで就任会見を行った。背番号は2軍監督時代と変わらず「90」を背負う。会見の主な一問一答は以下の通り。

-冒頭に

「このたび、福岡ソフトバンクホークスの1軍監督に就任しました小久保裕紀です。どうぞよろしくお願いします。まず、監督就任にあたり、球団から求められることは当然勝つこと。3年間優勝を逃しているという現実に向き合い、パ・リーグ優勝、日本一を目指して戦うのはこれは当然のことであります。それに加え、弱いダイエー時代から強くなってきた歩み、それは自分自身の中でもとても貴重な経験として生きています。その王監督時代に築かれたイズムというものを継承しながら、いま一度チームに浸透させられるように努めていきたいと思います。この2年間、2軍監督として下から上を見る景色を経験しました。球場にはなかなか足を運ぶことはできませんでしたが、テレビを通して、1軍選手の戦いを時間が許す限り見てきました。その中で1つ、少し違和感を感じているというところが、強い、勝つチームは大切だと思うんですが、美しさ、美意識と言ってもいいと思うんですが、そこが一番、今は欠けているんじゃないかなと。今回就任にあたりともに歩む首脳陣、選手たちといかに美しくあるかということをお互いの共通認識として持ち合わせながらチームを作っていきたいと思います。以上です」

-今の率直な気持

「どっちかというとヘッドコーチで3年前に会見した時の方が緊張しているかなという感じで。今回、3年間ホークスの中の人間としてやらしてもらった中で2軍監督から昇格という形の監督なので、チームの中を知っているという意味では非常に有利に最初のスタートを切れるという思いでいます」

-就任要請はいつ

「100人いれば100人勝ったと思ったあの試合。(10月16日のCS第3戦)千葉ロッテの逆転負けをして、1軍のCS敗退が決まったという翌日に三笠GM、永井本部長から要請を受けました」

-藤本前監督と話もした

「翌日ですね、CS敗退した翌日にお電話をさせてもらって、正式に依頼があったことをお伝えして。『過渡期になるけど頑張れ』という言葉を頂きました」

-今季の1軍を見て

「今シーズンも昨シーズンもそうなんですけど、やっぱり昨年はあと1つで優勝、今年はあと1つで2位に入れる。最後のCSもああいう結果。1つの勝ちの難しさとか最後の詰めのところが非常にクローズアップされた2年間だったと思います」

-チームの課題は

「細かいこと言い始めると会見が長くなるので、ざっくりいきますけど、やっぱり会長のイズムって何かと考えたときに、主力選手がチームの先頭に立って引っ張れる集団であり続けてきたと思う。そこで打の中心は柳田、近藤。彼らが今年も全試合出場して、十分引っ張ってきてくれたんですけど、勝つためにどうしたらいいのかというところで同じ思いで同じ方向に向かってやっていく中では主力の手本意識は欠かせないと思っています」

-どういう野球をする

「戦術は最後に落とし込むんですけど、もちろん投手陣、特に先発投手の整備が一番の課題だと思っていますけど。それよりも先ほど申し上げた美しさと言いますか、ファンに愛されるチーム、球団、選手であるべきだと思う中で、画面を通して今のホークスの野球がどう映っているかということを選手も感じながら。見られているという意識をしっかり持ちながら。細かい戦術の話はいろいろありますけど、大まかには見た目を含め、プレーの美しさも、グラウンドでの振る舞い、インタビューの受け答え、そういうもの全てそこにつながってくると思う。僕自身もそこが完璧にできていると思いませんが、ともにそこを意識しながらやっていきたいと思います」

-ファンの方々へ

「ずっと勝ち続けてきた球団で勝つのは当たり前というところもあった。現実、この3年は優勝から遠ざかって、この時期ペイペイドームで野球がないさみしさというのを感じられていると思う。なんとかこの時期までプレーができる、ファンの皆さんが球場に足を運んでもらえる場をつくるためにも勝つしかないので精いっぱい頑張ります」

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