北海道移転後の黄金期を支えた「小さな大投手」が復帰する。守護神、セットアッパーとして活躍した元日本ハムの武田久氏(45)が、来季投手コーチに決まったことが27日、分かった。1軍に配置されることが濃厚で、就任3年目となる新庄監督をサポートする。1軍内野守備コーチには今季で引退した谷内亮太内野手(32)が就任する見通し。2年連続最下位からの巻き返しを狙う来季の新体制が固まってきた。

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輝かしい実績を持つレジェンド右腕が、6年ぶりに日本ハムのユニホームに袖を通す。2年連続最下位からの巻き返しを目指す来季、武田氏が投手コーチに就任することが決まった。新庄監督も現役時代一緒にプレーし、06年は球団44年ぶりの日本一を成し遂げた。今季途中には、「センターからずっと見てて、やるなぁって。あんな小さい体で下からえぐっていくような。何してるんだろ今」と武田氏の話題に触れたことがあり、待望していた。

170センチの体を目いっぱいに使い、右膝に土がつくほど沈み込むダイナミックな投球フォームが特徴的だった。浮き上がる直球と精密機械のような制球力で、通算534試合、06年からは7年連続50試合以上に登板した。その間日本一1度、4度のリーグ制覇に貢献。167セーブ、107ホールドで最多セーブ3度、最優秀中継ぎ投手を1度獲得し、救援のスペシャリストとしてブルペンを支え、精神的支柱として後輩からも慕われた。

17年オフの退団後は日本通運、日本製鉄東海REXでコーチを務めるなど指導経験も豊富。若手投手の多い日本ハムは、今季のチーム防御率がリーグ3位の3・08、救援防御率はオールスター後に悪化し同4位で、ブルペン陣の整備も課題のひとつとなっていた。

退団時に「ファイターズファンは一生の宝物」と話していた武田氏はかねて、日本ハムへの復帰について「もし縁があれば」と話していた。「コーチングをしっかり勉強したい」とも語っていた同氏が、チームへの恩返しとして強固な投手陣の礎を築く。

 

◆武田久(たけだ・ひさし)1978年(昭53)10月14日生まれ、徳島県出身。生光学園-駒大-日本通運を経て02年ドラフト4巡目で日本ハム入団。06年最優秀中継ぎ、09、11、12年最多セーブ。通算167セーブは球団記録。17年オフに退団し、日本通運にコーチ兼任で復帰。19年現役引退。現在は日本製鉄東海REXコーチ。現役時代は170センチ、73キロ。右投げ左打ち。

 

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