ソフトバンクは10月31日、新入団コーチ4人を発表した。西武などで活躍した牧田和久氏(38)が3軍投手コーチ、オリックスなどで活躍した川越英隆氏(50)が4軍投手コーチに就任。今季楽天で育成総合コーチを務めた奈良原浩氏(55)の1軍ヘッドコーチ就任、3年ぶり復帰となるOB倉野信次1軍投手チーフコーチ(49)の就任も正式発表された。倉野氏以外はホークス初入閣で、小久保新監督のもと首脳陣も刷新。コーチ陣も血の入れ替えを図り、来季4年ぶりのリーグ優勝奪回を目指す。

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ソフトバンクが4年ぶりV奪回へ“外部の血“を導入した。3軍投手コーチに西武などで活躍した牧田氏、4軍投手コーチにオリックスなどで活躍した川越氏が就任すると発表。ともに福岡・筑後市のファーム施設で若手投手陣の底上げを任されることになった。

牧田氏はアンダースロー右腕として、西武時代の11年に新人王を獲得。その後は米パドレスでプレーするなどメジャー経験を積んだ。17年の第4回WBCでは侍小久保監督のもと4強入りに貢献。昨季台湾・中信兄弟で現役引退し、鷹の小久保新監督を再び支える形になった。川越氏はオリックスでエースを務め、12年から22年までロッテで1軍や2軍の投手コーチを務めるなど指導者経験が豊富。青学大で2学年上の先輩にあたる小久保監督を支える。

今季は投手陣の不振がV逸の要因になった。特に先発陣は、規定投球回への到達者が不在で、勝ち頭は新加入した有原の10勝。生え抜きの石川、東浜も奮わず、開幕投手を務めた大関も5勝に終わった。2軍以下の選手の台頭も不在。王球団会長も以前、ドラフトの補強ポイントに「今年のウチのチームから言ったら投手でしょうね」と言及するなど、投手陣の整備は急務。実績十分な牧田氏と川越氏に白羽の矢を立て、若手の底上げをはかる。

今季楽天で育成総合コーチを務め、青学大で小久保監督の3学年先輩にあたる奈良原氏のヘッドコーチ就任と、倉野氏の1軍投手チーフコーチ兼投手ヘッドコーディネーター就任も正式発表された。OBの倉野氏以外の3人はホークス初入閣。パのライバル球団でしのぎを削った外部の人材を登用し、新たな風を吹き込む。球団は今オフ、育成選手を含めて18人に戦力外通告を行った。選手も首脳陣も大幅に刷新し、新体制で覇権奪回に臨む。【只松憲】

◆牧田和久(まきた・かずひさ)1984年(昭59)11月10日生まれ、静岡県焼津市出身。静清工(現静清)-平成国際大-日本通運を経て、10年ドラフト2位で西武入団。1年目に22セーブで新人王を獲得。18年からは大リーグのパドレスに移籍し、20年に楽天に移籍。昨季は台湾・中信兄弟でプレーし、同年オフに引退。13、17年WBC、15年プレミア12など日本代表でも活躍。現役時代は177センチ、85キロ。右投げ右打ち。

◆川越英隆(かわごえ・ひでたか)1973年(昭48)6月8日生まれ、神奈川県出身。学法石川(福島)-青学大-日産自動車を経て、98年ドラフト2位でオリックス入団。1年目に11勝を挙げたが、同年の新人王は16勝をマークした松坂大輔(西武)が獲得した。通算298試合登板で54勝。10年からはロッテに移籍し、11年に引退した。現役時代は174センチ、76キロ。右投げ右打ち。

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