ソフトバンクのロベルト・オスナ投手(28)が来季も残留することが13日、分かった。

新たに4年総額40億円前後の大型契約を結び、大筋で基本合意した。移籍1年目だった今季は49試合で3勝2敗、26セーブ、防御率0・92でチームに大きく貢献。来季以降も絶対的な守護神として君臨し、4年ぶりのリーグ優勝奪回を狙う鷹を支える。

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ソフトバンクが単年契約だったオスナの残留に成功した。昨オフにロッテを自由契約となり、推定年俸6億5000万円で獲得。元メジャーのセーブ王で、今季も鷹の絶対的守護神としてチームに貢献したが、クライマックスシリーズ終了後に他球団へ流出危機にあることが判明していた。フロント陣は水面下で交渉を重ね、新たに4年総額40億円前後(出来高含む)の大型契約を提示。この日までに大筋で基本合意した。

移籍となれば守護神不在の痛手だったが、球団側は最大限の誠意を示した。移籍1年目で49試合、3勝2敗、26セーブ、防御率0・92。圧倒的な成績を残した助っ人右腕が、小久保裕紀新監督(52)となる来季以降もチームを支える。10月23日には三笠杉彦取締役GM(49)が「サポートしていきます」と小久保ホークスの戦力整備を約束していた。かつて「King of Closer」の異名を持ったデニス・サファテ氏の「3年」を超える長期契約で有言実行に移した形だ。

守護神という役職について、オスナ本人は「責任や『やっていかないといけない』という気持ちがある。登板に期待してもらいたい。優勝のために向かっていく」と話していた。野球に真摯(しんし)で情熱的な男。さらにメジャーでの経験を若手に還元するなど、オスナ残留はグラウンド以外でのメリットも大きい。

球団は11月上旬に巨人ウォーカーを交換トレードで獲得し、手薄な右の大砲を補強した。今後は国内FA権行使を表明したオリックス山崎福、同じくFA権を所有する広島西川、西武山川の獲得調査にも本腰を入れていく。来季4年ぶりのリーグ優勝奪回に向けて、準備は着々。まずは現有戦力だった守護神の流出を防いだ。

◆ソフトバンクのブルペン事情 今季は後半戦から7回藤井、8回松本裕、9回オスナという盤石な「勝利の方程式」を形成。倉野1軍投手コーチはすでに藤井と松本裕の中継ぎ固定を明言している。オスナの残留によって、来季も7回以降は鉄壁なリリーフ陣となりそうだ。さらに今季は6回も又吉や甲斐野といった実績ある中継ぎが待機。来季の勝ちパターンはまだ不透明ではあるが、強力なブルペン陣であることには変わらない。

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