阪神佐藤輝明内野手(24)が来季本塁打のタイトル獲得で超高級腕時計を死守することを誓った。3日、兵庫・西宮市の母校・甲東小で野球教室に参加。打撃や守備の技術指導した。子どもたちが憧れる虎の主砲は先日、球団OBでスペシャルアドバイザーの糸井嘉男氏(42)から腕時計を贈られたことを自身のSNSで投稿。仰天のプレゼントには来季の厳しい条件を付けられた。

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阪神佐藤輝明のもとに一足早くサンタクロースがやってきた。超高級腕時計の話題を振られると、「それね」と白い歯をこぼした。2日の自身のインスタグラムで、近大の先輩でもある球団OBの糸井氏から、「アレ祝い」に数百万円はする「オーデマ・ピゲ」の超高級腕時計が贈られたことを投稿した。いまだ興奮は冷めず、「すばらしい、早めのクリスマスプレゼントをもらいました」と笑顔をみせた。

ただ、超人のサプライズプレゼントは条件付きだった。来季の目標に「本塁打王」を掲げる主砲。糸井氏から冗談半分で「来年タイトルとらんかったら没収や」と言われたという。今季タイトルを獲得した大山、近本、中野ら主力の表彰式が続く中、個人としては無冠。チームは日本一に沸くが背番号8にとってはやや寂しいオフになったことは事実だ。超高級腕時計の没収阻止へ向けた初タイトル奪取へ「頑張ります」と決意をにじませた。

この日、プロ入り後では初めて母校である兵庫・西宮市の甲東小で野球教室に参加した。出身チーム「甲東ブルーサンダース」を含む8チーム約50人の子どもたちが参加。打撃や守備を指導した。本塁打の打ち方を聞かれると、打球角度をつけるための体の軸について身ぶり手ぶりで力説。だが、子どもたちにはうまく伝わらず「とにかくフルスイングや!」と笑い飛ばす場面もあった。

最後には野球少年、少女たちに「野球を楽しんでやることが一番大事。楽しいなと思いながらやっていたら、不思議とうまくなる」とエンジョイ・ベースボールの大切さを伝えた。「子どもたちは素直で、楽しんでやっていた。今の僕もそうでありたい。それを思い出させてくれるいいきっかけになった」と原点に立ち返ることができたという。

今季は「甲東ブルーサンダース」の子どもたちを甲子園に招待した7月30日の広島戦で12号ソロを放ち、先輩としての勇姿を見せた。「甲子園でもっと打って、いい活躍を見せられれば」とアーチを量産を決意。来季こそ初タイトルを手にして、高級腕時計も守り抜く。【村松万里子】

◆オーデマ・ピゲ 1875年設立のスイスの時計メーカー。パテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンとともに世界3大時計ブランドのひとつに数えられる。

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