プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る23年」。第2回は中日・柳裕也投手です。

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今季、最もツキのなかった投手は柳だろう。8月13日広島戦は9回を無安打に抑えながら0-0のまま降板。延長戦に突入してノーヒットノーランを逃したのは13人目で、9回以上を無安打で降板は3人目だ。とにかく打線の援護がなかった。柳が投げている時の中日打線は7月30日巨人戦の1回から34イニング連続無得点など、援護点は24試合で37点。0点が9試合、1点も7試合あった。今季の規定投球回に到達した投手の平均援護点は小川(ヤクルト)の4・56点が最も多く、最少は柳の1・99点。2点未満は柳だけだった。

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好投しても勝てなかった。無失点に抑えた5試合のうち、勝利投手になれたのは9月3日広島戦しかない。6回以上投げて自責点が3点以下のクオリティースタート(QS)は17試合あったが、その試合は3勝6敗の勝率3割3分3厘。今季、QSをマークした投手は両リーグ合わせて461勝168敗、勝率7割3分3厘を記録したのに、柳は負け越した。規定投球回に到達してQS試合で負け越したのも柳だけだ。

4勝11敗で勝率2割6分7厘だが、防御率はリーグ6位の2・44。規定投球回以上で勝率3割未満は、柳が延べ103人目。この103人の防御率を見ると、4点以上が42人、3点台が41人、2点台が20人で、さすがに1点台はいない。防御率2・50未満で勝率3割未満は69年伊藤(中日)以来、54年ぶり8人目。2リーグ制後は66年権藤(阪神)69年伊藤、柳の3人しかいない。プロ野球史を振り返ってみても、不運な投手の1人と言えそうだ。【伊藤友一】

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