西武粟津凱士投手(26)が結婚したことが9日、分かった。同い年の一般女性と、今年1月1日に婚姻届の提出を済ませた。

粟津は18年ドラフト4位で西武入りし、21年春に右肘のトミー・ジョン手術を受け、22年から育成契約に。リハビリを終えた昨季は2軍戦で30試合に登板し、防御率は1点台だった。昨秋のフェニックスリーグでも力強い球威で相手を圧倒し、再びの支配下登録へ加速している。

愛する人が背中を押してくれた。リハビリ当時は「投げる仕事なのに投げられていなかったので」と悩むこともあったというが「奥さんは、僕より気持ちを強く持ってくれていたかもしれません。最後まで応援するから頑張れって」。結婚したことで「自覚と責任、覚悟ができました。奥さんに喜んでほしい思いはより強くなりましたね」と強い決意で1軍復活を目指す。

一粒万倍日、天赦日などが重なり「最強開運日」ともいわれた1月1日を結婚記念日に選んだ。婚姻届を提出して間もなく、能登半島地震が発生した。11年3月、中学3年生の時に地元山形県で東日本大震災を経験している。

震源地からは離れているものの、当時は山形も大きく揺れた。「中学の卒業式の練習でした。体育館でモノが落ちてきて。地割れして、電気が止まって、ろうそくで過ごして」。

だから、いてもたってもいられなかった。今回の震源に近い石川・穴水町出身の牧野翔矢捕手(22)にすぐに連絡を入れた。牧野も自身と同じ手術、リハビリからの支配下復活を目指す身だ。

「大地震を経験している分、怖さが分かるので。大丈夫か? って。一応、同期入団なので」

新婚の2人には、生涯の思い出になるとても大事な記念日だけれど、大切な仲間を思うことも忘れない。さわやかで、相手の気持ちを想像することができる青年だ。新人合同自主トレ初日の9日も、関係者に丁寧に新年のあいさつと結婚を報告して回った。「一番はケガしないようにやることです」。身も固まった。勝負の1年だ。【金子真仁】

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