阪神岩崎優投手(32)が、無敗の守護神を目指す。地元静岡市の草薙球場で自主トレを公開。雲もほとんどない快晴のもと、約3時間半汗を流した。昨季は初タイトルのセーブ王を獲得するなど38年ぶりの日本一に貢献。充実のシーズンで見えた反省点も口にした。

「(負け数は)少ない方がいいですよね。去年はリードで(マウンドに)行って、同点で止められなくて負けというパターンが多かった。同点で止めなければならないと思う」

昨季は6月17日のソフトバンク戦(甲子園)は1点リードの9回に中村晃の逆転二塁打を献上。2点リードで登板した8月29日DeNA戦(甲子園)は佐野2ラン、牧ソロの連続被弾で逆転を許した。10月4日ヤクルト戦(神宮)は1点リードで内山に同点打を浴び、山田サヨナラ犠飛を打たれた。チーム最多の60試合に登板したが、喫した3敗を直視。今季は最悪、同点で止め、勝ち越しを許さない決意を明かした。

救援陣の最年長として、チーム内に浸透させている共通意識でもある。同学年の岩貞とともに、「ブルペンで勝つ」と説いてきた。「ビハインドでいく投手も試合をつなげば、打線が頑張って勝ちを拾えたりする。野手の人の力が必要ですけど、そのチャンスをブルペンで与えられるように」。自身が現役時代の藤川球児氏(43)に学んだ教えだ。今季はリリーフ陣で22勝17敗の貯金5を稼ぐなど、結果にも直結。今季はその負け数をもっと減らす。

2年連続開催の「岩崎塾」には今年も後輩左腕が多数参加。「教えるのは難しい」と笑った。手本を示し、負けないブルペン陣の先頭を走る。【波部俊之介】

◆負けない守護神 年間0敗で最多セーブを挙げた投手は97年佐々木主浩(横浜)38S、09年武田久(日本ハム)34S、20年増田達至(西武)33Sの3人しかいない。昨季の最多セーブ投手では、セの岩崎、パの松井裕樹(楽天)ともに3敗。阪神で0敗&2桁セーブは過去2人。06年藤川球児は、守護神久保田智之の故障でシーズン途中に抑えに回り、17Sで穴を埋めた。13年福原忍は、ストッパーを期待された久保康友の不調を受けての転向で、チーム最多の14Sを挙げた。

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