令和初の3冠王が、達人となる。ヤクルト村上宗隆内野手(23)が17日、宮崎・日向で「チーム青木」の自主トレを公開。史上最年少の22歳で達成して以来、2度目の3冠王を目標に掲げた。青木宣親外野手(42)からは「超一流の選手は何事も達人だ」とアドバイスを受けた。技術はもちろん、食生活も意識を高め、聖域へ足を踏み入れる。

青空が澄み切った日向。強烈な日差しを浴びた村上の表情も晴れやかだった。「3冠王をもう一度取りたいと思いますし、僕が3冠王を取れば必ずチームも勝って優勝できると思うのでチームの先頭に立ってしっかりとした成績で頑張りたい」と言葉に力を込めた。

自主トレをともにする青木からは、金言を授かった。「超一流の選手は何事も達人だ」と。「『どういう選手になっていきたいの?』っていう話を青木さんとした時に、『こういう選手になっていきたいです』ってなって。『その中でもこうなれればいいよね』っていう話になりました」。多くは語らなかったが、夢でもあるメジャーで活躍するための道筋を語り合ったようだ。

日本最高級の技術をアップデートする。「打球速度を上げたいと思っています」。目指すはメジャートップクラスのスイングスピード。「体全体を使って打たないといけない。飛距離も伸びてホームランも出やすくなると思うので」。練習中にはメディシンボールを使い、臀部(でんぶ)、下半身から力を伝える構造をたたき込んだ。

“真っすぐ”打つ。「曲がっているとどうしても、肩が落ちたりすることがあると思うので。すべて真っすぐあったほうが回りやすいですし、ボールも見やすいですし、ブレも少なくなるので、全てにおいて真っすぐが一番大事かなと思います」とうなずいた。

今回の自主トレでは、昨年10月からタッグを組む栄養士も同行。意識して摂取するようになったのは海藻系、豆類。血糖値の上昇が抑えられる効果があり、日々の食事から徹底している。

全ては圧倒するため。「結果を残し続けると周りの見る目も変わってきますし」。達人のイメージとは? 「みんなが思っているような達人ですよ」。球史を振り返れば、過去に複数回の3冠王は落合博満(3回)、王貞治、バースが2回。打の達人となり、その域に歩みを進める。【栗田尚樹】

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