広島森下暢仁投手(26)が2日、宮崎・日南キャンプでマエケン・スライダーを試投した。目慣らしの調整で左打席に立っていた矢野雅哉内野手の足元を襲った。持ち球のカットよりも大きく曲がる新球種は、26球中1球のみ。「感触としては1球しか投げていないので、全然分からないです」。本人は淡々と振り返るも、矢野は驚きの表情を見せた。「かなり曲がっていました。あれがインコースに決まると打てない」。すでに高性能の変化球を持つ右腕が、また新たな武器を加えようとしている。

1月に合同自主トレを行ったタイガース前田から変化球の握りや使い方、意識などを学んだ。前田の武器であるスライダーも、そのひとつ。「使えるか使えないかはやっていく中で決めれば。まずはストレートをしっかり投げられることが大事だと思う」。直球を軸とした投球の精度を上げていく調整の中で、新球種の感覚も磨いていく。

右肘手術明けの昨春キャンプとは違い、今年は2日目からブルペン入りと順調な滑り出しだ。新球種習得はさらなる高みを目指すために求めたもの。「まずは今持っている球種をしっかり投げられたら一番いいんですけど、それがダメなときに使える球があればいいなという気持ちです」。今後も握り方などを試行錯誤しながら、完成度を高めていく。【前原淳】

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