阪神梅野隆太郎捕手(32)が183日ぶりに実戦復帰し、いきなり攻守で躍動した。紅白戦で白組の6番捕手として出場。「まずは実戦に出られたことが1番良かった」とかみしめた。

死球で左尺骨を骨折した昨年8月13日ヤクルト戦以来の実戦。ブランクを感じさせるどころか、打撃面では進化した姿を見せた。試行錯誤の段階ながら、タイミングの取り方を工夫した新フォームを披露した。

昨季は体の前で立てたバットをグッと引き寄せていた。この日はバットを背中側に寝かせた状態から、2度ほどポンポンと右肩をたたきトップを作っていた。4回1死ではフルカウントから左腕川原の140キロ直球を強振。三遊間深くに鋭く転がした打球で、復帰戦即の内野安打も決めた。

「2打席の中でもタイミングを変えながらやってみて。シンプルに、なおかつコンタクトできるように。あとはタイミングが一番大事なので。いい意味でトライしていこうと、やっているところです」

復帰戦でも、よりよい形を模索。8年連続の開幕マスクへ、1試合たりも無駄にしない。

守備面でも、変わらない強肩を披露した。3回無死一塁。代走島田が初球から試みた二盗を、正確かつ鋭いノーバウンド送球で阻止した。鈴木の投球は右打者側にそれていたが、問題なくスローイングを決めた。

「若いピッチャーを助けられたことが一番良かった。それがキャッチャーとしての仕事なので。自分がどうこうというよりも」

アピールに燃える若虎を助けられたことが、何よりの喜びだった。

発熱で10日、11日の練習を休んだが、この日は万全。「こんなこと、11年目で初めてだったので。しっかり(体調)管理しながらやっていきたい」。引き締め直し、実戦感覚をさらに研ぎ澄ます。【波部俊之介】

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