ソフトバンク海野隆司捕手(26)が「タカの正捕手」争いに待ったをかける! 18日、春季キャンプ2度目の紅白戦に「8番捕手」で先発出場。5回、先頭の第2打席で左翼ポール際へソロ本塁打を放った。13日のシート打撃に続き、1軍主力が参加した実戦の“チーム第1号”で強烈なインパクを残した。絶対的な女房役の甲斐、今季「捕手一本」を明言した谷川原との正捕手争いに、海野が割り込んでいく。

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バットを振り抜いた海野が、自信に満ちた表情で確信歩きを始めた。5回、先頭。カウント3-1から左腕・渡辺佑の内角低め直球を捉えた。打球は左翼ポール際へと飛び込んだ。「何かで目立たないと自分みたいなのは終わる。とにかくインパクトを残したかった」。13日のシート打撃に続いてA組チーム第1号。柳田、近藤、山川ら主力も出場する中、プロ4年間でシーズン通算1本塁打の男が存在感を示した。

昨秋から打撃練習に重点を置いてきた。「速球を一発ではじき返す」をテーマに、スイングの軌道を修正。アウトサイドインからインサイドアウトへ。ボールへバットを出す角度にも強くこだわった。「自分はドアスイングにならないこと。右手が外から回ってしまうので、内から(バットを)出す時にヘッドが寝ないように」。チームメート今宮の打撃フォームも参考にした。手を加えてきた新打法は「いい感じにはまっている」と納得顔だった。

5年目のシーズンへ、強い覚悟をにじませる。「『今に見とけよ』ぐらいの気持ちで常にいる」。19年にドラフト2位で東海大から入団も、1軍に定着すらできない。昨季は出場8試合にとどまり、2軍でも結果を出せなかった。覇気すら乏しいように、周囲の目には映った。当時2軍監督の小久保監督からは「このままやったら終わる。進化し続けていかなあかんのに、退化してどうするんや」とダメ出しも受けた。海野は「5年目なので周りが『変わったな』って思うように見返さないといけない」と背水の思いで逆襲を誓う。

この日の打撃を見た小久保監督は「全然変わりましたよ。去年までなら(5回の本塁打は)絶対にファウルになってる。そのへんは(オフに)相当(打撃を)やってきたんじゃないですか」と認めた。絶対的存在の甲斐、追う谷川原の正捕手争いに、海野も割って入る。「1軍で途中出場ではなくスタメンで出たい」と鼻息は荒い。【佐藤究】

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