開幕ローテ入りに向け、着実に前進した。ヤクルト奥川恭伸投手(22)が、今キャンプ初実戦となる中日との練習試合に先発し、2回を2安打無失点に抑えた。

22年3月29日の巨人戦以来となる1軍での登板。「すごく緊張しました」と汗を拭いながら「1回目にしたら、良かったのかなと。まずはホッとしています」と安堵(あんど)した。

打者を前にし、スイッチが入った。出力がグッと上がって、最速は球場表示で149キロをマーク。新外国人のディカーソンは2球連続の速球で追い込み、フォークで二ゴロに抑えた。高校の1学年下の内山と「星稜バッテリー」を形成。試合前に「今日、本当にお願いって。サイン通りにいくから」と息の合ったコンビネーションを披露した。

緊張とは裏腹に、マウンドでは冷静に新たな武器も試した。従来の2種類のスライダーにプラスし、「曲がりを大きくするイメージ」と説明したスライダーを複数球投じ、4番細川からは空振り三振を奪取。「(打者の)反応も良かった」と収穫に挙げた。ボールの精度、球威、制球力を今後の課題にしたが、スケールの大きさを証明する今季初登板だった。【久保賢吾】

▽ヤクルト高津監督(奥川について)「ちょっと緊張してる感じも見えて、いつものブルペンとは違うのかなと思うところもあったんですけど、実戦のマウンドになってくるとさすがだなと思う球もありましたね」

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