日本ハム新庄剛志監督(52)が19日、沖縄・名護キャンプで野手陣に「新庄式タッチアップ改訂版」をチャレンジさせた。通常、タッチアップ時の三塁走者は、ベースに着いた足と反対側を前に踏み出した状態でスタートのタイミングを計る。一方で新庄式は、ベースに着けた足の反対側を後ろに引く。体勢的に視線が届く右飛と中飛で行うスタートの構えで、メリットは「助走」が付けられることだ。

新庄式の引いた足からの始動なら、勢いを付けて離塁が可能で、本塁到達も速くなるはず…と指南された野手陣は、新庄式と通常バージョンでタイムを比較した。初めての試みということで、この日は両パターンとも捕球と同時にスタート。タイムを計測した代田データ分析担当兼走塁コーチは「“助走”を取っていた方(新庄式)が速い選手が多かった」と説明。塁間タイムが0・2秒も速くなった選手もいたという。

通常の方がタイムが速かった五十幡も「勢いがつく。加速しやすい。(飛球を)捕る直前に(引き足を)動き出すと、ちょうどいい。慣れていけば(ベースの)蹴りやすさはすごくあると思う。(どちらの足を引くかは)好きな方でいいって言っていました。試合でできるようになるには慣れが必要だけど、やっていけば(ポイントは)つかめると思います」と新庄式の伸びしろを実感したという。

新庄監督にとっては、就任直後から温めていた走塁改革の一環だ。22年春キャンプ初日に「新庄式タッチアップ」として、三塁ベースから離れて助走をつけスタートを切る方法を提案したが、ルール違反と知り断念。それでも、既成概念にとらわれずに模索して「新庄式タッチアップ改訂版」が完成した。三塁コーチを務める森本外野守備走塁コーチは「オープン戦とかで試していきたい」と、今後も積極的に試すことを明言。うまくハマれば、得点の可能性を広げる新常識となるかもしれない。【木下大輔】

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