史上初の通算400ホールドへ、ととのいました。2軍キャンプで調整中の日本ハム宮西尚生投手(38)が23日、1軍の沖縄・名護で行われた韓国サムスンとの練習試合で今季初実戦に臨んだ。3回から2番手で登板し、1回1安打無失点。打者3人に対して全て初球ストライクを決め、チームの決め事を忠実に実行した。スリークオーターの“全盛期フォーム”を取り戻し中の大ベテランは、17年目のシーズンへ向けて順調な調整ぶりを披露した。

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百戦錬磨の宮西でも「緊張しますよ、もちろんね」。シーズン初実戦マウンドは17度目だが、自らにプレッシャーをかけていたのは初球ストライク。「(新庄)監督が去年からずっと言われていることですけど、やっぱ初球のストライク。そこに対する…もうね、僕がちゃんとやらんかったら『やべぇな』って(笑い)」。打者3人に対して初球ストライク率100%。しっかり、ととのえていた。

2軍の沖縄・国頭で突き詰めた課題の進捗(しんちょく)具合も確認できた。取り組んだのは“全盛期フォーム”への回帰。「昔みたいな、本当に真横の回転を使って(左腕の位置が)スリークオーターぐらいで投げたい」。ここ数年は、昔のように左腕を横から振ると水がたまった左肘に痛みが生じていた。だから、左腕を振る位置は「痛くない(体の横より)上から」に変更し、なんとか投げていた。

そんな臨時措置を続けなくていいほど、現在は左肘の状態も良好だ。一時的に投球時は体が斜めの回転軸だったが、今は全盛期の真横の回転軸を意識。「去年より(右足の)踏み出しのステップは1足半以上、インステップになった」と左打者に向かっていく、かつてのフォームに「戻す」作業を地道に進めていた。

この日対戦した2人の左打者は犠打失敗の三邪飛と右飛。打ちづらさは復活気配だが、全盛期への回帰具合は「2、3試合放ってから判断」。次は3月2、3日の阪神とのオープン戦(札幌ドーム)で登板予定で、現状を再確認する。

昨季は早仕上げして開幕1軍入りも夏場に失速した。反省を踏まえ、スロースタートした国頭では「毎日、サウナに入っていた。7分2セットとか。そこで後輩らとしゃべっていた。(斎藤)友貴哉なんかは15分ぐらい入って『ミヤさん、もう無理です』って感じで出ていった(笑い)」と後輩への助言に熱中しながら体も「ととのいました!」。“全盛期フォーム”も開幕までに完璧にととのえ、前人未到の大記録を達成する。【木下大輔】

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