ソフトバンクのドラフト2位、岩井俊介投手(22=名城大)と同4位の村田賢一投手(22=明大)が、開幕1軍へ気合をみなぎらせた。目指す投手像は、最速156キロを誇る「剛」の岩井はメッツ千賀、制球力を武器にする「柔」の村田は阪神西勇。宮崎キャンプはともにB組(2軍)発進だが、24日には1軍対外試合デビューを1回0封競演で飾るなど猛アピールを続ける。3月序盤のオープン戦登板でもチャンスを生かす。【取材・構成=只松憲、佐藤究】

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即戦力期待のドラフト2位右腕、岩井が開幕1軍入りに燃えている。「アピールするだけなのでバンバン投げる。ぶちかまします!」。先日、倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターから熱い言葉をかけられ、一層スイッチが入った。「『ぶちかませ!』みたいな感じで言われたのがうれしくて。とにかく思い切りいけ! と言われています」。代名詞とする最速156キロの真っすぐを前面に押し出し、「剛」のスタイルで打者を押して押して押しまくる。

キャンプはB組(2軍)スタートとなったが、24日に台湾プロ野球の楽天モンキーズ戦でA組の対外試合で1軍初登板。7点リードの9回を託され、1回1安打無失点で試合を締めた。先頭打者に中前打を許したが落ち着いたマウンドさばきで後続を3者凡退。最速は150キロをマークし、最後はスラーブで見逃し三振に打ち取った。「1軍は人の多さ、緊張感が全然違う。アドレナリンも出て、抑えられたのが良かった」と上々のデビューを飾った。

目指す投手像がある。「千賀さんです。あの剛速球にフォークで圧倒する感じの投球が理想です」。22年までホークスの先発陣を支え続けたエース。昨季は米メッツで移籍1年目に12勝を挙げた先輩右腕が目標だ。岩井のストレートはホーム到達まで最高2780回転と、メジャー級の数値をたたき出したこともある。千賀の代名詞は「お化けフォーク」だが、岩井にはスラーブ気味の独特なフォークが決め球の1つだ。「小久保監督もよくおっしゃっていますが、自分の城を築くだけです。力強い球で自分の城を築きたい」。真っすぐとフォークを武器にする同じ本格派右腕の背中を追い、“千賀2世”の活躍を目指す。

現状は中継ぎスタートが濃厚だ。3月2日のDeNA戦(北九州)で始まるオープン戦で地元デビューする可能性もある。「失敗を恐れず、1戦1戦自分の力を出していく。アピールして開幕1軍をつかみ取ります」と強い覚悟でサバイバルに臨む。【佐藤究】

◆岩井俊介(いわい・しゅんすけ)2001年(平13)7月30日生まれ、愛知県高浜市出身。京都翔英では甲子園出場なし。高校3年間は控え投手だった。名城大では4年春のリーグ戦で4勝1敗、防御率1・56の好成績で、同年夏に大学日本代表に選出された。愛知大学リーグは通算38試合に登板し、14勝5敗、防御率2・06。特技はスキーでスキー検定2級。181センチ、92キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は1200万円。

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