メガゴジラが、できたてほやほやの台北ドームで左に右に大きく打ち分けた。巨人秋広優人内野手(21)が3安打3打点と猛打賞の大暴れ。ヒーローインタビューでは「我愛(ウォーアイ=愛してる)台湾」と4連発。全ての質問に絶叫で応え「3、2、1、我愛台湾」と締め、日台のファンを笑いに包んだ。

まさに“ゴジラ劇場”の1日だった。2回2死一、二塁、中信ブラザーズ左腕の139キロ直球に逆らわず、先制の左前適時打を放つと、6回無死二塁からは一、二塁間を破る右前適時打。7回2死三塁からも134キロ直球を中前に落とした。

台湾メディアも身長2メートルの次世代大砲に大きく注目した。練習中に囲み取材に呼ばれた際には、マイクスタンドの高さが、規格外サイズの秋広には低すぎた。両足を約1メートルも広げ、自らが高低差を調整して取材に対応。試合前から現地メディアに強烈なインパクトを残し、台湾プロ野球史上最多3万7890人の観客が集まった一戦でも、相手チームの前にそびえ立った。

2月28日キャンプ最終日の打撃練習中には、阿部監督から「大谷(ドジャース)の本塁打動画を見ておけ」と助言を受けた。逆方向へ飛ばすお手本として何度も確認し、イメージを頭に刷り込ませた。

2月のキャンプからの対外試合は12打数2安打と結果を残せず、危機感を募らせていた。右わき腹の張りで丸が台湾遠征には同行していない状況。左翼レギュラー争いの最大のライバルが不在中に大暴れ。高さ509・2メートルの超高層ビル「台北101」を約1キロ先に望む台北ドームで仁王立ちした。【上田悠太】

▽巨人阿部監督(台湾遠征の初戦で中信ブラザーズに勝利し)「声援がすごかったので感動しました。勝敗に関係なく素晴らしい試合だったと思うし、盛り上げてくれたファンの皆さんに感謝したいと思います」

▽巨人長野(2回2死一、二塁から秋広の左前適時打で先制のホームに生還)「超満員の中でプレーできたことは光栄です。すごく感動しました。台湾に来たのは09年以来です。台北ドーム初得点として記録に残るからうれしいです」

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