日本ハム鈴木健矢投手(26)が開幕ローテーション争いに生き残った。

楽天とのオープン戦(静岡)に先発し、5回2安打無失点と好投。昨季は苦手とした左打者に痛打を食らうこともなく、二塁を踏ませなかった。普段の生活から意識する脱力をマウンド上でも体現して、開幕ローテ最後の1枠入りを大きくアピールした。

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5回を投げ終えた鈴木は、ゆっくりと三塁側ベンチへ引き揚げた。「今日、めちゃめちゃ力抜けた感じがありました。抜いた中でカーブを有効に使えていたのが良かったかな」。当初予定していた4回を投げ終えて52球。もう少し球数を投げたかったため、首脳陣に「もう1回、行きたいです」と志願して続投。最後まで二塁を踏ませなかった快投に、新庄監督も「完璧にゼロで抑えていますし、全然チャンスあります」と開幕ローテ入りの可能性を消さなかった。

力感のないサブマリンは次々と打者を幻惑した。キャンプ中から上体が浮き上がるのが早いと感じていたため、この日は「もう1個低く、上から下につぶすイメージ」で臨んだ。ゆったりと深く沈み込んだフォームから、130キロ前後の直球に90キロ台のカーブなどをミックス。昨季は被打率2割9分9厘だった左打者対策のチェンジアップやシンカーも有効で、まともに打撃をさせなかった。

日常生活からの意識付けが、少しずつ成果に表れているのかもしれない。性格的に「結構、せっかちなんで」という鈴木は、昨年から日常生活でも「歩くのを、ゆっくりにしたりしています」。ふとした瞬間に肩に力が入っていると思ったら「ちょっと肩を落として、だらーんと。気づいたら、やっています」という徹底ぶり。

マウンド上でも無駄な力を極力省いてボールにキレも増し、間合いの変化もつけることで打者を差し込み続けた投球に「自分の中でも自信になりました」。日頃の鍛錬で自由自在に脱力できる修正能力を身に着けた鈴木が、残り1つの開幕ローテ枠をゆっくり確実につかみにいく。

◆日本ハムの開幕ローテ争い ゴールデンウイークまで6連戦がない日程を考慮して、開幕ローテは5枠。すでに開幕投手の伊藤、本拠地開幕戦で先発する山崎、加藤貴、バーヘイゲンの4人は新庄監督が開幕ローテ入りを明言済み。さらに、残り1枠を争っていた金村とマーフィーが一時的に中継ぎへ配置転換となるため、現状では上原、北山、根本、鈴木の4人で最後の1枠を争っている。

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