広島野間峻祥外野手(31)が攻守で連勝に貢献した。まずは守りで3回の先制点のピンチを好返球で防ぎ、同点の8回はバットで決勝の適時三塁打を放った。チームではベテランと若手をつなぐ役割を担い、開幕2戦目からトップバッターとして打線をけん引。頼もしさが増すリーダーがチームを勢いづかせた。

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マツダスタジアムの歓声とともに、広島新井監督が右拳を突き上げた。同点に追いつかれた直後の8回。2死二塁から野間が追い込まれながら、ヤクルト清水の内角球を狙った。「少し頭の隅にはあった。今日は2打席目も内をやられていた」。コンパクトに振り抜いた打球は、前進守備の外野を越え右中間を破り、決勝の三塁打となった。新井監督も「よくあの場面で打ってくれましたね、さすが野間さんです」と笑顔でたたえた。

今季の新井広島は、カバーし合うチームだ。指揮官が“火曜日の男”に指名した床田は、両軍無得点の3回1死一、二塁から西川に中前打を浴びるも、野間が本塁へ好返球。二塁走者の生還を防ぎ、床田を救った。新井監督は「チャージも良かった。野間もいい球を投げたけど、サクもうまく処理してタッチまで持っていった」と捕手坂倉もたたえた。この回を無失点で切り抜けた左腕は、志願した7回までゼロを並べた。

先制点は、すでにこの回での降板が決まっていた床田に勝ち投手の権利を与えようと野手が奮起した。1死から四球を選んだ小園がバッテリーの隙を突いて二塁進塁(記録は盗塁)。秋山の左前打で捕手のタッチをかいくぐった。1度はアウト判定も、リクエストから判定が覆った。8回に島内が追いつかれるも、直後に勝ち越した。殊勲の野間は「タム(田村)は苦しんでいたし、初ヒットからキクさんがつないでくれたチャンスだったので、かえせて良かったです」。ベテランと若手のつなぎ役が、20歳田村の今季初安打を決勝点につなげた。外国人野手2選手の同日離脱から、チームは連勝。カバーし合うチーム力で本拠地開幕戦を勝ち切り、新井広島はさらに勢いづく。【前原淳】

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