日本ハムのフランミル・レイエス外野手(28)が西武戦(エスコンフィールド)の3回に開幕戦以来となる安打を放った。右中間への鋭い打球に全力疾走。二塁打とし、ベース上で3本指にした右手で左肩をたたく「カバイエテポーズ」を披露した。6試合17打席ぶりの快音で気持ちも吹っ切れた助っ人大砲が、ここからもっと状態を上げ、チーム内で浸透しつつあるパフォーマンスをガンガン繰り出していく。

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レイエスが9日ぶりに「カバイエテ」になった。3回先頭。西武松本の直球を捉えた。右中間寄りに放った打球を見て、体重120キロの助っ人は両足をフル回転させて二塁打だ。3月29日の開幕ロッテ戦で1号ソロを放ってから16打席連続無安打だった鬱憤(うっぷん)も「オフコース。イエス、イエス、イエス」と晴らし、塁上では「ちょっと1、2で迷って…3にしました」。右手を3本指にして左肩をたたいて喜んだ。

これが「カバイエテポーズ」だ。レイエスが母国のドミニカ共和国でも行っていたパフォーマンスだ。

レイエス 「いい選手」のことを「カバイエテ」って言うんだ。もともと自分の周りでずっとやっていたのは(右手を)4本指で左肩をたたくっていうセレブレーションだよ。

2月の春季キャンプ中から親交を深めた松本剛とは「どちらが先にカバイエテになれるか」と競い合い、どちらかが試合で結果を出せば向かい合って左肩をたたいて共鳴。その姿が次第にチーム全体に広がった。この日もレイエスの二塁打で、ベンチ内はカバイエテポーズ一色だった。

レイエス とてもいい気持ちだし、いい雰囲気だね。自分の国でやっていたことがチームで浸透しているっていうのを見るのは、とてもうれしい。

レイエスの中では、4本指が最大級の結果を出した「いい選手」を意味するというが、仲間たちはアレンジを加え始めた。「ヒットの感覚が良くなかった時は1本だったり2本だったり。クリエーティブにアレンジを加えているのを見るのは面白いね」。だから、二塁打だったこの日は、自身も「3本」にとどめた。

結果が出ていなかった、この1週間あまりは本塁打を意識し過ぎていた。「とりあえず頭をリセットした」と出塁することだけを意識してトンネルを脱出。次は最大級の「カバイエテポーズ」をたくさん見たい。「イエス!」。力強く、何度もカバイエテになることを約束した。【木下大輔】