ソフトバンクのドラフト1位、前田悠伍投手(18)のデビュー戦は、ほろ苦い結果となった。

20日のウエスタン・リーグ広島戦(タマスタ筑後)に7回から登板し、1回を2安打2失点、雨中のマウンドで、2度の悪送球が失点につながった。「自分の思い通りの投球ができなかった。正直、悔しい思いはありますけど、初登板で自分の足りないところが見つかったことは良かった」と前を向いた。

先頭だった。広島大盛を一ゴロに打ち取るも、自身のベースカバーが遅れた。記録は内野安打。「高校の時の感覚だとアウトにできていたんですけど…。自分が思っているスピードより速かった」。さらに無死一塁からのけん制悪送球で、得点圏に走者を背負った。続く持丸の犠打を今度は一塁へ悪送球。二塁走者が生還し、なお2死二塁から韮沢に左中間を真っ二つに破られた。「甘い球だと外野まで運ばれる」とプロのレベルを痛感した。

今後は再び4軍に戻り、しばらくは体力強化に励む。「日々の練習から意識高くやっていきたい。次につなげていければいい」。期待の黄金ルーキーが、プロの第1歩を踏み出した。【佐藤究】

 

◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀・長浜市出身。小学6年時にオリックスジュニア選出。高月中では湖北ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。22年秋の神宮大会では大会初の連覇に貢献した。甲子園は春夏3度出場し、22年春優勝、同年夏8強、23年春4強。昨年ドラフト1位でソフトバンク入団。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。

 

ソフトバンク松山2軍監督(前田悠について)「先頭打者にフルカウントから四球じゃなく、ストライクゾーンに投げきれるのは大したもんです。マウンドの状態が悪い中でも、技術的なところは十分に見てとれました」