ボクシング世界4階級制覇王者井岡一翔(34=志成)の世界戦を軸としたTBSの大みそかボクシング中継が今年、見送られたことが15日、明らかになった。同局と井岡陣営による交渉が条件面で合意に至らなかったという。11年の井岡一翔-ヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)戦を皮切りに12年間継続し、風物詩となった大みそか地上波中継が23年でいったん「消滅」する。関係者によれば来年以降に復活する可能性は残されているという。

TBSの大みそかボクシング中継はK-1旧体制のFEGを中心とした格闘技イベント「Dynamite!!」に代わるスポーツの目玉として11年からスタートした。同年にはテレビ東京も“参戦”し、元WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志を中心に据えた大みそか中継を開始。この地上波2局が10年以降、日本ボクシング界の注目イベントとして定着させた。

内山の引退を受け、テレビ東京は16年限りで大みそか中継を終了したが、TBSは昨年まで継続してきた。今年6月、因縁の再戦となった井岡-ジョシュア・フランコ(米国)戦はABEMAでPPV(ペイ・パー・ビュー)生配信されたが、TBSは大みそか中継を最重要視。井岡陣営と交渉を重ねてきたが、最終的に断念する形となった。

大みそかまで残り1カ月半の段階で、現WBA世界スーパーフライ級王者井岡の次戦は発表されていない。毎年のように1年間を締めくくる「大トリ」役を務めてきた井岡の今後に注目が集まる。