西前頭筆頭北勝富士(27=八角)が、上位のプライドを結果で示した。11勝と絶好調の西前頭16枚目照強(24=伊勢ケ浜)との一番。

169センチの身長を生かした、相手の低く鋭い踏み込みをものともせず、左からのしかかるように突き落とした。

しゃがみ込んで懐に飛び込むか、変化するか、真っすぐ当たるか-。相手の立ち合いを何種類も想定することにより「何がきても対応できる立ち合いができた」と、胸を張った。

上位力士のプライドがある。幕内3場所目、今場所は幕尻の照強に対して、自身は幕内上位の常連で春場所では三役も経験した。「この上位でずっとやっているプライド、意地があった。見てる世界も違う。負けられなかった」。

ライバルも同調する。取組前、三役常連の関脇御嶽海からは「上位の力を見せてやれよ。ずっとやってるんだから負けるな」と、カツを入れられた。「やっぱり幕内の上位と下位では力の差があると思っている。御嶽海の言葉は活力になった」。この1勝で、来場所の三役復帰に前進。1年ぶりとなる2桁白星を飾り、三役復帰を確実なものにしたい。