大相撲の元前頭潮丸の東関親方(本名・佐野元泰=さの・もとやす)が13日午後9時52分、東京・葛飾区の部屋で血管肉腫のため死去した。14日に日本相撲協会が発表。41歳だった。東関親方は体調不良のため、昨年の九州場所から休場していた。通夜、告別式などの日程は未定。

この日、部屋で取材に応じた、おかみさんで妻の真充さん(40)によると、7日から入院していた東関親方は10日に容体が悪化。かねて「力士たちと会いたい」と話していた親方の意向をくんで、12日に入院先の病院から部屋に戻した。宮崎・延岡市で合宿を行っていた部屋の力士も急きょ帰京。部屋に戻った東関親方は、穏やかな表情で弟子1人1人の手を握ってコミュニケーションを取ったという。真充さんは「みんな見送ることができた。それだけは救い」と話した。

現役時代は先代東関親方(元関脇高見山)の弟子として、176センチと小柄な体格ながら押し相撲で活躍した。94年春場所の初土俵から02年初場所で新十両、同年秋場所で新入幕。最高位は西前頭10枚目だった。09年5月の夏場所限りで現役を引退して、同年6月に年寄「東関」を襲名。昨年2月には部屋を東京・墨田区から葛飾区に移転し、部屋開きを行った。がん発覚後、この1年間は化学療法を主に闘病生活を送っていたが、関取輩出の夢はかなわなかった。

弟弟子で部屋付きの振分親方(元小結高見盛)は「現役の頃からあんな強い人が、お酒を豪快に飲む人が何で急に体調が悪くなったんだと。あんなことになるなんて、信じられない」と、早すぎる別れにショックを隠さなかった。師匠を失った部屋の扱いは今後話し合われる。