大関朝乃山の母校、近大相撲部の阿部智志新監督(41)が1日付で就任し、取材に応じた。

朝乃山と直接的な接点こそないが、初場所で優勝した同校OBの徳勝龍も引き合いに「ワンチャンスをものにできる力がある」。無観客で行われた春場所も欠かさず見たと言い、「(右四つの)自分の形を持っている。それが力強くなってきている」。例年、春場所前にOBの大相撲力士が訪問するが「ここまできましたからね。もう1つ上を目指してほしい」とエールを送った。

前監督の伊東勝人氏(享年55)が今年1月18日に急死した。その後を受けての就任。OB会から打診を受けた直後は「即答できなかった」。重い責任と向き合い、「(相撲部を)このままにするわけにはいかない」と監督を受けた。

新入生を含めて、32人の大所帯を預かる。目標は「(大学選手権の)団体戦優勝です」と明確だ。伊東監督の遺志を引き継ぐが、「プレッシャーはあるけど、考えても仕方がない。遺志を引き継いで、自分らしくやっていきたい」。その指導方針も「人としてどれだけ成長できるか。人間形成が大事です」とキッパリ。新型コロナウイルス感染が拡大する厳しい状況下、新体制がスタートした。

◆阿部智志(あべ・さとし) 1978年(昭53)9月22日、山形県酒田市生まれ。近大での個人成績は98年西日本選抜学生相撲大会優勝など。01年に卒業し、近大の職員に。前監督の伊東氏が急死したことを受け、今年4月1日付での近大相撲部監督就任が決まっていた。