昨年公開された時代劇映画「超高速!参勤交代」の続編「超高速!参勤交代 リターンズ」が製作され、来年公開される。このほど福島県いわき市でロケ撮影が行われ、主演の佐々木蔵之介(47)や深田恭子(32)が参加した。前作は物語の舞台となった福島での撮影がかなわなかった。佐々木と深田は「お力をいただいた」と喜んだ。

 佐々木演じる湯長谷藩(現在のいわき市)の藩主と、深田演じる側室が伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」を村人と踊るクライマックスの撮影。踊り子150人から「殿様コール」を浴びた2人は自分の出番を終えても踊りの撮影を真剣に見つめた。佐々木は「踊りの輪の中に入り、時代に連れて行ってもらった。自分の城下町を歩いている気分。殿にさせていただいた」。

 前作は、無理難題を命じられた地方藩の奮闘をユーモラスに描き、興収16億円のヒット。今年春に続編製作プランが浮上した。佐々木ら主要キャストの出演が可能となり、正式に決まった。今回は、陣内孝則(57)演じる老中に城が奪われるなど、物語が前作以上にダイナミックに展開する。

 撮影は今月6日に開始。佐々木は「『どうせ(前作同様に)また走るんでしょ』と言ったら、前の倍も走る過酷さ。撮影の熱は断然上」。深田は「台本から人物の様子が目に浮かび、さらに面白くなると思った」。撮影は京都ロケも行い、10月下旬に終了する。

 配給の松竹は「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の後継となるシリーズ化も視野に入れる。前作に続きメガホンをとる本木克英監督(51)は「シリーズは狙ってできるものではない」と言うが、佐々木・深田コンビで「別な時代劇という考えもある」。矢島孝プロデューサーは「同じ出演者で違う物語を描く『超シリーズ』のような考え方もあります」と話す。【村上幸将】

 ◆「超高速!参勤交代 リターンズ」 湯長谷藩主内藤政醇は、老中松平信祝から4日間での参勤交代を命じられ、家老と知略をめぐらせ、6人でこれを達成し、取りつぶしを免れた。道中で出会ったお咲を側室に迎え、湯長谷に帰る道中、農民一揆が起きたと知り、帰ると城が奪われていた。その背後には、報復を狙う松平と最強の刺客がいた。前作に続き、西村雅彦、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李、柄本時生、六角精児らも出演。