ヒット中の米映画「ブレードランナー 2049」(ドゥニ・ヴィルヌーブ監督)に出演するオランダ生まれの女優シルビア・フークス(34)が注目されている。レプリカント(人造人間)のラヴを演じ、大胆なアクションや繊細な表情で作品に広がりを持たせた。ハリウッド超大作初出演のフークスに話を聞いた。

 冷徹な敵役だが、素顔は表情豊か。同作に出演できたことを「アイム・ラッキーガール」と笑った。ヨーロッパ作品を中心に出演してきたフークス。オーディション用のVTRも自分で撮影した。「真夜中にホテルの部屋で、ありとあらゆる明かりを顔の周りに配置して撮影しました。作業が楽しくて、次の声が掛からなくてもいいやと思いました」と明るく話す。

 82年公開の前作「ブレードランナー」に同じオランダ生まれの俳優ルトガー・ハウアー(73)が出演したことが、女優を志すきっかけになったという。「強烈な印象でした。映画館のある街まで1時間もかかる場所に住んでいましたが、私も映画できるかもと思いました」。

 ラヴ役のため、週6日、1日6時間、ウエートリフティングやマーシャルアーツ(格闘技)などで体を鍛えた。「もし、この映画に出ていなかったとしたら『ラヴのような役をやりたい』と答えていたと思う。感謝しかない」という気持ちが、トレーニングを支えた。今後も大作出演が決まっている。【小林千穂】