12日に心不全のために亡くなった女優市原悦子さん(享年82)の通夜が17日、東京・青山葬儀所で営まれた。96年NHK大河ドラマ「秀吉」で共演した竹中直人(62)が取材に応じた。

竹中が主人公の豊臣秀吉、市原さんが秀吉の母親、なかを演じた。「独特の声の音色で『日吉~』と呼ぶ声や優しいまなざし、笑顔に支えられた日々でした。至福の時間でした」。女優としての市原さんについても言及。「常にエネルギーをぶつけてくれた。それにテンションを上げて返す。毎回、どんなシーンになるんだろうと撮影が楽しみでした」と振り返った。

共演は1度きりだったが、テレビ局のスタジオで偶然会う時もあったという。「『かあちゃん、かあちゃん』って。僕にとってはかあちゃんなので。『日吉』と返してくださった。いつもキラキラしていました」。場内で市原さんの映像が流れたが「今、見るのは切ない」とし「市原さんの肌や手のぬくもり。僕の大切な宝物です」と、涙をぬぐいながら故人をしのんだ。