加茂市出身の俳優西村元貴(29)が13日、BSN新潟放送の水曜見ナイト(午後7時)にゲストコメンテーターとして生出演。それに先立ち会見した。現在、TBS(系列BSN)の金曜ドラマ「4分間のマリーゴールド」で救命士の磯辺健太役で出演中。番組のPRも務めた。

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西村元貴は、故郷の放送局でリラックスしていた。「地元に呼んでもらえるのはうれしい。アットホームな…。いい意味で楽しんでお仕事させてもらっています」。水曜見ナイトの出演は2度目で、今回は「岩崎宏美さん&さかな芸人と行く! 新潟の寿司と新米特集」のゲストコメンテーターを務めた。現在、出演中のTBS系金曜ドラマ「4分間のマリーゴールド」の“番宣”も行った。

同ドラマでは、主役の福士蒼汰(花巻みこと)にきつく当たる先輩救命士を演じる。「仕事に対して真っすぐで熱い男。主人公に強く当たる役どころ」。クランクインの前には、実際に救命訓練を数回受け、救命の基礎知識の講義も受けた。「命を扱う仕事」と、気を引き締めながら演じているが「ストレッチャーを上げ下げするシーンが何回も続くと、腕がパンパンになって、いい筋トレになる」と笑わせた。

加茂市の実家は、果樹がメインの「西村農園」を営む。西村家の長男であり「(家業を)継がなきゃ」と新潟大農学部に進学した。 転機は大学時代に訪れた。県内でモデルを務める農学部の先輩に誘われ、学生と並行してモデルの仕事をした。結婚式場の新郎役など、パンフレットのスチール撮影が主だったが「川崎商会」などのローカルCMにも出演。「モデルをやりながら、表現の場に魅力を感じた」と、モデルから俳優志望に方向転換。大学卒業後に上京し、俳優の養成学校に2年間通い、現事務所「ホットロード」に所属した。

NHK連続テレビ小説「まんぷく」では立花源役を好演した。「あの経験は大きい」と話したドラマで、共演の安藤サクラ(33)から大きな影響を受けたという。「台本を読んだときに違和感や言いづらいセリフがあったときは、自分の字で書いてみると言葉が自分のものになる、と教えてもらった」。

目指す俳優はいない。ほかの演者や役者の影響を受けながらも「ボクはボク」と、唯一無二の「西村元貴」を目指す。上映中の映画「ジョーカー」の主役ホアキン・フェニックスには「ああいう役をもらえる俳優になりたい。すごく嫉妬する」とハングリーな部分も持ち合わせている。「映画の現場は未経験。興味がある。やりたい」。故郷でリフレッシュし、俳優としてさらなる夢を広げた。【涌井幹雄】

◆西村元貴(にしむら・もとき)1990年(平2)2月19日生まれ。加茂市出身。新潟大卒。趣味は農作業で、帰省時が花粉づけの季節なら家業を手伝う。空手初段で小学校時代に2度、県大会の「形」で優勝。俳優デビューは14年の「ペテロの葬列」(TBS)。178センチ。ホットロード所属。