新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず緊急事態宣言が発令され、関西のミニシアターも休館が相次いでいる。うち関西の13館が、支援を求めるプロジェクト「SAVE OUR LOCAL CINEMAS」を立ち上げた。10日、大阪・十三にある「第七芸術劇場」が取材に応じ、支援の広がりに感謝した。

プロジェクトを立ち上げたのは4月6日。京都、大阪、兵庫の13館が参加した。「第七芸術劇場」の担当者は「これだけ反響を頂けるとは思っていなかった」と、関係各所や映画ファンからの問い合わせに率直な感想を口にした。

ミニシアターでは、メジャー映画を手がける大手映画館とは一線を画し、独自で選んだ作品を上映している。同劇場では「3月以降、観客が激減し、実感としては半分以下になっていた」と語る。映画人、映画ファンの熱量に支えられ、運営してきただけに、積極的に舞台あいさつも行われていたが、3月以降は、その取りやめも続いた。

同劇場にも、常連客や映画ファンから「頑張ってや」「大丈夫か」などと、激励や、心配の声が届いたという。しばらく開館を継続してきたものの、緊急事態宣言を受けた大阪府、兵庫県など対象地域の外出自粛要請を受け、8日以降に13館のうち多くが休館。収入はゼロになるが、家賃負担は変わらず「(休館が)1カ月ならもつ」という館や、「長引いて2カ月になれば厳しい」との館もある。

苦境を乗り切ろうと、京都にある「京都みなみ会館」が、オリジナルTシャツ(3000円)の販売を提案。もともと、上映作品を探す上で、つながりのあった13館が「映画文化の灯は消せない」として、合同プロジェクト立ち上げに至った。

映画館への来場を控える映画ファンらに、Tシャツを買って支援してもらおうとのプロジェクト。Tシャツには、13館のロゴを入れたという。公式ホームページも立ち上げ、これまで各館とゆかりのあった映画人からのメッセージも。映画監督の阪本順治氏、行定勲氏らから、多くの熱いコメントが届けられている。