タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校110期生の合格発表が30日、行われ、ミス・ワールド・ジャパン2021大阪のファイナリスト7人に残った今井柚希さん(18=兵庫県)ら、40人が、夢への扉を開く切符を手にした。

コロナ禍は収まらず、今年も3年連続で、ホームページでの発表。毎春おなじみだった、本科へ進学する在校生による合格者番号掲示はなかった。合格者は各自でホームページから番号を確認し、その後に学校へ集まった。

身長171センチの今井さんは、地元兵庫県の西宮市出身で男役志望。天海祐希ファンだった母の影響で、10年ほど前に宝塚歌劇を観劇し、「私も宝塚に入りたい」と志した。

中学卒業時から4回目、最後の挑戦で合格し「今年は最後なので、絶対受かりたいと思っていました」。合格番号に自分のナンバーを発見し「信じられない。でも、今から宝塚に入れるうれしさでいっぱいです」と笑みをこぼした。

ミス・ワールド-は「身長が高いので、視野を広げたい」と、経験値を積もうとして受けたという。あこがれの先輩は、歌、ダンス、芝居とすべてに秀でた星組トップ礼真琴。「礼真琴さんのように、歌って踊れて、たくさんの方を魅了できる男役になりたいです」と目を輝かせた。

合格者の中には、70期生の和光一を母に持つ納冨(のうど)文香さん(東京都)、76期生天希かおりの娘、山本ゆりさん(岡山県)ら、劇団OGの娘が2人いた。

山本ゆりさん(15)は、母と同じく男役志望。あこがれに星組トップ礼、雪組へ移った実力派スター和希そらの名前をあげ「実力をしっかり身につけた男役になりたい」と語った。

今年の受験者数は692人、競争率は17・3倍。昨年は697人、競争率は17・4倍で、今世紀最少だった昨年を更新した。

長引く新型コロナウイルスの影響で、昨年までと同様に受験準備などが進まなかった志望者もいたとみられる。合格者の出身地で最多は東京都の15人で、続いて大阪府と兵庫県の6人だった。

今年の平均身長は165・6センチ、最高は177・3センチ、最低154・5センチ。

110期生の入学式は4月16日に行われる。40人は、2年後の劇団110周年イヤーに初舞台の予定で、予科、本科と2年に及び声楽や踊り、演技などを学ぶ。