映画と文化を融合させ、毎年秋に行われる「京都国際映画祭2022」(10月15、16日)の受賞者が30日、発表された。映画界の発展に貢献した人物に贈られる牧野省三賞は京都出身の北大路欣也(79)、国際的に活躍する俳優をたたえる三船敏郎賞は竹野内豊(51)に決まった。この日、同映画実行委員会が発表した。

北大路は、往年の時代劇スター市川右太衛門さんの息子に生まれ、56年「父子鷹」でデビュー。映画「八甲田山」「七つの会議」など多彩な作品に出演し、近年のテレビドラマでは「半沢直樹」(TBS系)でも活躍。07年に紫綬褒章、15年に旭日小綬章受賞を受章している。

同委員会では、北大路を「その時々の自身の年齢にふさわしい仕事を見事になしとげている」と評価。幼少時から右太衛門さんの薫陶を受け「喝采を求めず無欲に、演技という自分の仕事を大切に深めた結果、東京と京都、現代劇と時代劇、また映画・舞台・テレビなどの区別なく、そのすべてで確かな足跡を築いている」とたたえた。

牧野省三賞は58年設立で、日本映画の父と呼ばれる牧野さんをしのぶもので、父の右太衛門さんも61年に受賞しており、北大路は親子受賞となった。

また、三船敏郎賞はリニューアル開催されて以降、14年に設立され、三船さんのような国際的な俳優を顕彰するもので、今回、受賞した竹野内は、映画「太平洋の奇跡」(11年)「シン・ゴジラ」(16年)が評価され「映画を映画たらしめる風格のある俳優」として、受賞に至った。

2人は、10月16日によしもと祇園花月で行われる授賞式・クロージングセレモニーに登壇する。