「第58回上方漫才大賞」発表会が27日、大阪市内で行われ、プラス・マイナスが大賞に輝いた。奨励賞には、吉田たち、新人賞にはカベポスターが選出された。

結成20年、M-1グランプリなど全国区の賞レース決勝は未経験のプラス・マイナスが見事、大賞を獲得した。岩橋良昌(44)は「僕らがまさか大賞とは。受賞の知らせを聞いた時はドッキリだとばかり思って、信じられなかった。過去2年、キングオブコント優勝のかまいたち、M-1優勝のミルクボーイと続いていたので、縁がないと思い込んでました」と感無量。

兼光タカシ(44)も「地名度ないし、人気もない僕らが大賞だなんてうれしい限りです。日々の舞台をしっかりやりつづけて、それが認められたのは、皆さんに感謝しかないです」と感激を隠さない。周囲の誰もが知る苦労人。ゲストに駆けつけた先輩のテンダラーがお祝いのコメントを告げながら、当のプラス・マイナスよりも涙を流した。

親交ある博多華丸・大吉からは「マイナスというコンビ名が良くないのでは?」と改名を勧められたこともあった。候補にあがったのは「天ぷらうどん」。「改名しなくてよかったです」と岩橋、兼光。今後は上方漫才大賞の受賞者としてTHE SECONDに挑むことを予定している。

奨励賞の双子漫才コンビ、吉田たちは「受賞できてホッとしました。昨年がM-1のラストイヤーなのに、いい成績を残せなかった。今回の奨励賞でやっと前に進めます」と声をそろえた。

新人賞のカベポスターは3度目のノミネートで悲願の受賞。強力なライバル陣が漫才を披露した後、トリで登場した。「最後の出番だったので、運がよかったのかも。彼らに勝てたんだ、という喜びが大きい」と永見。浜田は賞金で来年MLBを見にいきたいと計画。「エンゼルスから大谷選手が出ていったら予定が立てられない」と困惑していた。

上方漫才大賞は1966年(昭41)に設立。第1回のかしまし娘をはじめ、夢路いとし・喜味こいし、横山やすし・西川きよし、オール阪神・巨人ら歴代の実力者が大賞を受賞。昨年の大賞はミルクボーイだった。賞金は大賞200万円、奨励賞150万円、新人賞100万円。