歌手川中美幸(70)の新曲「暖流桜」(作詞・京えりこ、作曲・弦哲也、編曲・南郷達也)が、USENのリクエストチャート(演歌/歌謡曲)で1位になるなど、好評だ。この時期にふさわしい作品である。
暖流桜とは、鹿児島県(種子島、鹿児島市内)で2月中旬から3月初旬に咲く早咲きの桜のこと。
咲き始めは純白で、散り際になると名残惜しむように紅く染まるという。
その愛らしい桜が、暖流(黒潮)に乗って日本各地に咲いてほしいという願いを込めて命名された。
川中の代名詞でもある「幸せ演歌」で、軽快なメロディーに人生を前向きに生きていこうというメッセージが乗せられている。川中独特のこまやかなビブラートと、情感あふれる歌唱が心地よい。
桜はバラ科で、春の訪れを知らせるメッセンジャーである。
日本に自生する桜の主な基本野生種は、以下と言われている。
ヤマザクラ(山桜)、オオヤマザクラ(太山桜)、カスミザクラ(霞桜)、オオシマザクラ(大島桜)、エドヒガン(江戸彼岸)、チョウジザクラ(丁字桜)、マメザクラ(豆桜)、タカネザクラ(高嶺桜)、ミヤマザクラ(深山桜)、カンヒザクラ(寒緋桜)、クマノザクラ(熊野桜)。
「あれ、有名なソメイヨシノ(染井吉野)が入ってないじゃない」と思われる方もいるだろう。
ソメイヨシノは、江戸時代末期に染井村(現東京・駒込)の植木職人らが、前述のオオシマザクラとエドヒガンを交配させてつくった栽培品種である。
ソメイヨシノは一斉に開花するのが特徴。理由はソメイヨシノは挿し木や接ぎ木で増やされたため、すべてクローン(コピー)だからという。
ヤエザクラ(八重桜)もヤマザクラとオオシマザクラとの栽培品種である。栽培品種は数百種あると言われている。「暖流桜」もその一種である。
川中は「聴いてくださった方が、少しでも元気になるような歌にしたい」と話している。
1977年(昭52)4月に、川中美幸として「あなたに命がけ」でデビューし、来年50周年を迎える。
「ふたり酒」(80年)がミリオンヒットし、明るいキャラクターも相まって、人気歌手の地位を不動のものにした。
以後、「越前岬」「遣らずの雨」「豊後水道」「女 泣き砂 日本海」「ちょうちんの花」、ミリオンヒットの「二輪草」など数々のヒット曲を歌ってきた。
NHK紅白歌合戦には24回出場し、第57回(06年)では「ふたり酒」で紅組トリも務めた。
「まだまだ50年。来年に向けていろんなことに挑戦したい」と意欲満々だ。
暖流に乗って、川中美幸は桜満開の50周年に向かおうと決意している。【笹森文彦】



