ムード歌謡コーラスグループ「秋庭豊とアローナイツ」のボーカルとして活躍した木下あきら(きのした・あきら)さん(本名木下雅彰=きのした・まさあき)が3日午前6時43分、消化管出血のために埼玉県内の病院で死去した。77歳。北海道出身。葬儀は6日に近親者のみで行う。

音楽関係者によると、昨年8月に脳梗塞で緊急入院。12月に退院をして自宅療養をしていたが、年末に別の病気で体調を崩して再入院した。年が明けると、体調の良い時と良くない時を繰り返し、3月3日に容体が急変して亡くなった。

病室には多くの音楽仲間が見舞いに駆けつけた。作曲家で歌手の杉本真人は木下さんの妻が18年に死去をした際、夫人をしのんで「さようならは言わない」という鎮魂歌を作って木下さんに提供。葬儀ではずっと曲がかかり、参列者は涙をこぼしたという。木下さんは病室で「もう1度ステージに立ちたい」とずっと意欲をみせ、杉本は「おれが曲を作ってやるから」と激励していた。だがその願いはかなわなかった。

木下さんは北海道でアローナイツを結成して75年にデビュー。代表曲に「中の島ブルース」「ぬれて大阪」など。90年にリーダーの秋庭さんが死去してからも、「アローナイツ(木下あきら)」としてグループ名で歌手活動を続けた。23年2月発売の「愛終(あいしゅう)」が最後の作品になった。