こん身仕上げで格別な勝利! 2番人気ベラジオオペラ(牡5、上村)が史上初の連覇を飾った。

勝ち時計は従来のレコードを1秒更新する驚異の1分56秒2。横山和生騎手(32)は1年ぶりのJRA・G1制覇で通算4勝目、上村洋行調教師(51)は昨年の阪神JF(アルマヴェローチェ)以来の同3勝目となった。今後は馬の様子を見ながら、6月15日阪神の宝塚記念(G1、芝2200メートル)を目標にする。

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赤と黄色に包まれた左腕を高々と突き上げた。桜が咲き誇る仁川のターフでベラジオオペラが躍動した。横山和騎手は固く握った左手を何度も突き上げ、笑顔でガッツポーズ。「本当にうれしいです。適度な緊張感はありましたけど、ここでどんな競馬ができるか、楽しみでした」。大声援を送ってくれたファンにお辞儀で感謝を伝え、「完璧!」と力強いひと言で陣営と喜びを分かち合った。

まさに“完璧”だった。いつも通りの好スタートから、取りたかったホウオウビスケッツの後ろへ。2コーナーでデシエルトが先手を取り、1000メートル通過が57秒5と流れても、人馬に焦りはなかった。「取りたい位置は取れましたし、ペースよりもリズムを大切にしました」。抜群の手応えから直線半ばで堂々と先頭。来るなら来いと言わんばかりに、横綱競馬をしてみせた。「こんなに乗りやすい馬がいるのかと思うくらいです」。どんな状態、状況でも一生懸命に、それでいてセンス良く走る。そんな愛馬をねぎらった。

実は3月末、上村師の表情が曇っていた。1週前追いにまたがったが、感触が良くなかった。「重いというか、思ったほど動けてないというか…」。馬の状態自体が悪いわけではない。「昨年よりも馬は良くなっているし、いい状態でレースに行けるとは思う。ただ、大阪杯は一番いい状態で向かえるG1。絶対に勝たないといけないから」。信念に基づき、攻めを強化した。1週前の日曜(30日)に週末追いとしては初めて3頭併せを行い、いつも馬なりの最終追いでは、横山和騎手を乗せてしまいを強めに追った。厩舎のノウハウを詰め込んだ、こん身の仕上げ。1年前とはひと味違う、格別な1勝だった。

今後は昨年3着の雪辱へ、宝塚記念を目標に調整される。「まだまだ良くなる余地を残している」と鞍上が言えば、上村師も「馬はまだ良くなっているので」とさらなるパワーアップを見込む。昨年は京都が舞台だった上半期のグランプリだが、今年は自身4戦4勝の仁川が舞台。宝塚には歌劇がよく似合う。【藤本真育】

◆ベラジオオペラ ▽父 ロードカナロア▽母 エアルーティーン(ハービンジャー)▽牡5▽馬主 林田祥来▽調教師 上村洋行(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 12戦6勝▽総獲得賞金 8億2370万2000円▽主な勝ち鞍 23年スプリングS(G2)、チャレンジC(G3)、24年大阪杯(G1)▽馬名の由来 冠名+歌劇