日本サッカー協会(JFA)は6日、都内のJFAハウスで会見を開き、22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選アウェーのキルギス戦(14日)と、国際親善試合キリンチャレンジ杯ベネズエラ戦(19日、吹田)に臨む日本代表メンバーを発表した。今回は異例の、同一の代表活動期間の2試合で異なるメンバー編成となった。

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W杯2次予選キルギス戦は勝つことだけに意味がある試合。堂安らがU-22代表に回ったが、布陣も戦い方も変わることはない。やっとベストメンバーになったU-22代表のコロンビア戦は、勝利も内容も求められる。では親善試合ベネズエラ戦は? メンバーを見る限り、新たな試みや新戦力発掘を狙ったとは感じない。こうした日程の中での“年末調整”のようだ。

長友ら欧州で定位置をつかんでいる選手に休養を与えるため、頑張ってやりくりしたという印象だ。さらにACLに勝ち残っている浦和からは選出なし。一方で会場が大阪とあって、関西に縁がある選手の初選出や復帰も。忖度(そんたく)なのか、大人の事情なのか、強化とは別の要素も透けて見える。今回呼ばれた選手が、柴崎や中島らレギュラー陣を脅かすのは簡単じゃないだろう。

とはいえ、オナイウや古橋はJリーグでも好調で、フレッシュ感がある。井手口ら久しぶりに代表でプレーする選手には「俺を忘れるな」の思いもあるはず。選手にとってアピールするチャンスであることは変わらない。むしろレギュラーが固まりつつある中、一石を投じるくらいの奮起を期待したい。

仮にベネズエラ戦の内容がよければ、来年のW杯2次予選もそのメンバーで戦ったらいい。そのメンバーでも問題なく勝てる。そうなれば、欧州各リーグが佳境となる3月に欧州組の負担を減らせるよ。(日刊スポーツ評論家)